2024年12月26日
【ニュースレター】白浜町 東京事務所をオープン!トークセッション「羽田から1時間!年間300万人が訪れる和歌山県白浜町の未来をみんなで考える」を開催
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白浜町 東京事務所をオープン!トークセッション「羽田から1時間!年間300万人が訪れる和歌山県白浜町の未来をみんなで考える」を開催
12月6日、WeWork 神谷町トラストタワー において、和歌山県白浜町の東京事務所開所式が行われました。当日は、WeWork 神谷町トラストタワー の共用エリアの会場に、県選出の国会議員や県議会議員、町議会議員を含む多くの著名人や関連企業の方々約80名が出席。大江康弘町長からは、「この東京事務所の設立は、白浜町が首都圏内で認知度を高めるための重要な施策の一環です。町職員が、国の各省庁や首都圏の企業などの担当者と顔を合わせて対話することで連携を強め、企業や観光客の誘致を推進するとともに、ふるさと納税の取り組みも一層充実させることを目指します。そして、白浜町独自のイベントやプロモーション活動を通じて、地域の産業振興も図る計画です。」と事務所の目的や将来のビジョンを語られました。
開所式終了後は、大江町長とともに白浜町に縁のある以下の企業の方々が登壇し「羽田から1時間!年間300万人が訪れる和歌山県白浜町の未来をみんなで考える」をテーマにトークセッションを行い、今後の町のあり方を語りあいました。
<登壇者>
・白浜町長 大江 康弘 氏
・株式会社セールスフォース・ジャパン セールス ストラテジー本部 吉野 隆生 氏
・株式会社 南紀白浜エアポート 代表取締役社長 岡田 信一郎 氏
・株式会社ウフル 代表取締役社長CEO 園田 崇史 氏
私たちが白浜町を選んだ理由
司会:まずは皆様の白浜町との関わりをお話しいただけますでしょうか。
セールスフォース 吉野氏(吉野):私は、約10年前に家族で白浜町に移住しました。私が働くセールスフォースが、2015年の総務省による地方創生に向けた「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に参画するにあたり白浜事務所を開所し、「東京で行っている仕事を白浜で行ったらどういう変化があるか」という実証を行いました。絶景が臨めるオフィスで海を見ながら仕事をし、夕日が見えたら帰るというスタイルで、働き方改革を実施したところ、東京よりも仕事の生産性が20%上がるという結果が得られました。また、セールスフォースでは創業時から「1-1-1モデル」という社会貢献活動を続けており、年間2,400時間ほど、海岸の清掃や子供達のプログラミング教室を開催したりしています。
南紀白浜エアポート岡田氏(岡田):白浜空港は民営化して現在6年目で、私自身は白浜に移住して7年目になります。民営化当初から「空港型地方創生」をコンセプトにしており、空港の発展が地域の発展につながると考え観光政策にも携わってきました。白浜は観光地のため、ピークである夏や週末の利用中心だったのですが、民営化以降ビジネスでの利用者が増え、夏以外や平日の利用者が増え、空港利用者数は10年前の倍になりました。東京から来ると、航空路の混雑が少なく1時間で来ることができる白浜町の認知度をもっと上げたいです。
株式会社ウフル 園田氏(園田):ウフルは2006年の創業時から、東京にオフィスを構えています。ですが、セールスフォースさんが2015年に白浜事務所をオープンされ、その開所式に出席した際に、海も温泉もある白浜町に魅了され、我々も白浜町にオフィスを持つことを決めました。2018年にウフル白浜オフィスをオープンし、メンバー数名が移住しました。それから「地域課題をビジネスに変える」という目的のもと、空港の混雑状況がわかるシステムや観光客が防災情報を得られるシステム(しらはまこんぱす)の提供などを行ってきました。最近では、サウジアラビアのスマートシティ化への取り組みに参画し、そのプログラムの一環として白浜町でハッカソンを開催しました。今後も自治体DXのご支援や少子高齢化などの地域課題の解決を進め、メイド・イン・白浜町のビジネスで世界展開を狙っています。
司会:皆様白浜町でビジネスをされ、また移住された方もいらっしゃいます。なぜ白浜町への企業進出や移住を選ばれたのでしょうか?
吉野:セールスフォースが「ふるさとテレワーク推進のための地域実証事業」に参画するにあたって、事業責任者として各地を視察していました。その際に一目惚れしたのが白浜町です。自然の美しさはもちろん、家族がそこで長く暮らすイメージが持てたことと、町の方々が移住者にフレンドリーだったことも大きな理由です。
園田:白浜に何度も足を運び、自然や文化に触れる中ですっかり惹かれてしまいました。テクノロジーを扱う人間だからこそ、白浜町の豊かな自然から新たな発想や視点を得たいという思いがありました。また、ある社員の、東京でこれ以上クリエイティブな仕事をするには限界がある。白浜町のような環境で、観光や防災の問題にリアルに触れ、それをテックの力でどう解決できるかチャレンジしたいという言葉にも動かされました。
司会:企業進出や移住をする際のメリットがよくわかりました。では、町の課題について、大江町長はどのように思われていますか?
大江町長(町長):ここ50年余り、白浜町は発展のチャンスを逃してきたようなところがあります。例えば、ホテルにしても小さなパイの中で建物を改装したり名前が変わるだけ。それでは人口も増えず、町としての力もつきません。そこで、町長に就任後、まずは都市計画を見直しています。白浜町の林野率は82%です。残りの18%をやりくりするだけでなく、造成も進めていきます。そして、和歌山県が始めた「ワーケーション」への取り組みによって、白浜町にはすでに17社が進出し、130名の地元雇用も生まれました。今後も空港というメリットを生かして企業や人を誘致します。そのための戦略の一つとして、東京事務所を開所しました。まちづくりは50年先を考えて行う必要があります。50年後に耐えうるまちづくりのために、今が土台作りの重要な時期と考えています。
「ワクワク感」や「非日常感」を作り、白浜の景色を変える
司会:なるほど。ではその土台づくりのために今何をするべきでしょう?
岡田:やはり企業誘致によって関係人口を増やすことではないでしょうか。これまでのように海を目的とした観光のみに頼ると、夏はよくても冬は人が訪れません。企業を誘致し白浜町で働く人が増えれば、季節関係なく人が訪れますし、プライベートを白浜町で過ごしてみようと思う人も自然に増える。あるいは二地域居住にも相応しい町です。ぜひモデル地区になってほしいと考えています。いずれにしても、まずは一人でも多くの人を白浜町にお連れすること。その意味で、色々な企業の人と直接繋がれる WeWork は東京事務所に相応しい場所だと思います。
園田:白浜町はワイキキと姉妹ビーチなんですよね。白浜もワイキキと同じように恒常的に世界中から人が集まるポテンシャルがある町だと思っています。空港からビーチまで車で約5分という立地。しかも白浜町にはビーチだけでなく温泉もある。あとは観光地の賑わいをどう演出するか。少子高齢化や人手不足などの課題を、例えばモビリティサービスのようなテックの力で解決し、訪れる人の利便性を高めることが自分たちにできることではないかと考えています。
町長:国だけに頼るのではなく、また周りの町とも協力し「地域」として次の時代にどう向かっていくか議論を投げかけることも必要と考えています。白浜町は、九度山町、高野町と協定を結び、協議会を作って、観光客の誘致などを協力して進めることになりました。また、観光に関して言えば、来年は「海の家」を作る予定です。そしてこれはすぐにはできませんが、ビーチへの通りに街灯を増設して歩道を整えます。ただビーチを解放するのではなく町が主導して白浜町に「ワクワク感」や「非日常感」といった価値を作っていきたいのです。白浜の景色は必ず変わりますよ。
司会:町の玄関である空港としてはどのようにしていきたいですか?
岡田:白浜町はこれだけのポテンシャルがあるのだからもっと認知度が高くてもおかしくないはず。空港の滑走路延長によって中距離機が乗り込める計画もありますし、今後訪れる人が増えるのは確実です。その時に大切になるのが町の風情ですね。町長もおっしゃるように、街並み、ランドスケープを綺麗にしていくこと。あとは、白浜町の人にシビックプライドといいますか、もっと誇りを持ってほしい。海も、空気も、夕日も綺麗なこの町の素晴らしさに気が付いていない人も多いんじゃないかな。
吉野:そうですね。僕はハワイにも行きますが、白浜町に来た時にハワイと同じ価値を感じました。白浜町の方はもっと遠慮せずにアピールしてほしい。
東京事務所から一人でも多くの人を白浜町へ
司会:町民目線で自分の町の魅力を知ることが大切ですね。では、ここ東京事務所でできることは何でしょうか?
園田:とにかく、白浜町に一人でも多くの人を連れていくことが重要ですね。白浜町の魅力は、実際に訪れてみてより深く感じられると思っています。訪れるたびに新たなご縁が生まれる素晴らしい場所だと思います。ただ、現状では、まだまだ白浜にはスタートアップ企業が入れるオフィスが少ないので、WeWorkのような施設があれば、より多くの企業が参画しやすくなり、さらに活気づくのではないでしょうか。
岡田:現空港の横にある昔の滑走路の跡地に WeWork を作ったら?(一同笑)
司会:では最後に町長より一言いただけますでしょうか。
町長:東京事務所の開設によって、次の時代に向けて進んでいくチャンスを得ました。本日の学びから改めてしっかりやりぬく気持ちを持ちました。今後にご期待ください。そして、東京事務所をどうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。