ひふみ株式会社 代表取締役社長 畠田 拓 氏

更新日:2025.07.01

WeWorkが生んだ出会い─ひふみ×JPX総研が切り拓く『金融・証券×AI』新時代

人と人、企業と企業のつながりがビジネスへと発展する WeWork の可能性

コミュニティチームのマッチングがきっかけに。ひふみが引き寄せた千載一遇のチャンス

金融・証券・会計領域に特化したAIソリューションを手がけるひふみ株式会社は、WeWorkの環境を最大限に活用し、事業拡大と成長を遂げました。WeWork入居メンバーやコミュニティチームとの交流を通じて、既存のAI技術をさらに発展させ、特に、株式会社JPX総研との協業を通じて、「金融・証券×AI」市場に確かな地位を築きつつあります。WeWorkにてどのようにその成長を実現していったのか、代表取締役の畠田拓氏がその経験と成功の秘訣を語ります。

■入居のきっかけ
・賃貸オフィスを利用しており、当時は移転や拡張の必要性は特になかったがWeWork ギンザシックスを友人の付き添いで内覧し、環境が気に入り入居を決意。
・天井が高く、大きな窓がある開放的なデザインや屋上スペースなどリフレッシュできる環境が整っていることが決め手となった。

■ WeWork  入居後に生まれた効果
・天井の高い広々とした空間や屋上スペースで気分転換をすることなどで業務効率が向上。
・また、共用スペースを通じて他企業と交流できるようになったことで、日常的な交流を通じて信頼関係を深め、ビジネスにつながる出会いが生まれた。
・コミュニティチームとの日々の会話などから、JPX総研との協業へとつながり、「金融・証券×AI」市場で事業を展開する挑戦が可能になった。

人と人、企業と企業のつながりがビジネスへと発展する WeWork の可能性

「当社と WeWork との出会いは運命的なものでした」と語る、ひふみ株式会社の代表取締役の畠田拓氏。 WeWork ギンザシックスが2018年6月にオープンして間もない頃、畠田氏は WeWork 丸の内北口を利用していた友人から「 WeWork ギンザシックスを見に行くので一緒に行かないか」と誘われました。当時、畠田氏は別の会社を経営、南青山にオフィスを構えていましたが、移転や拡張の予定は全くなく、軽い気持ちで同行したといいます。

ところが、館内を案内してもらうと、天井が高く広々とした空間に多くのグリーンが配置され、採光にも優れた開放的な雰囲気にすっかり魅了されました。当時の印象について畠田氏は「まさに一目ぼれだった」と振り返ります。さらに、いまも気分転換のためによく利用するという屋上の存在も大きな決め手になったそうです。

畠田氏:見学したその場で入居を決めました。その後、コロナ禍で1度退去しましたが、新しく立ち上げた現在の会社で2023年夏に再度入居しました。全体に明るいイメージがあり、いるだけで気持ちがはずみます。 WeWork の他の拠点にはあまり見られないコの字型のパントリー(フリードリンクなどを楽しみながらコミュニケーションを図ることができる共用スペース)も気に入っています。ここで、その後ビジネスにも発展したいろいろな方との出会いがありました

ーこうして WeWork ギンザシックスの利用を開始したひふみですが、 WeWork について、一般的な賃貸オフィスでは得られない「人と人、企業と企業のつながりが生まれ、それがビジネスへと発展する可能性」がある場所であることを、強く実感することになりました。それを象徴するエピソードがあるといいます。

畠田氏: WeWork ギンザシックスに入って間もないころ、メンバーが中心になってバーベキュー大会が開催されました。120人を超える人数が集まる、驚くほどに大きなイベントでした。そのイベントを通じて、親交が深まったメンバーの方とは、その後、家族ぐるみのお付き合いをするまでになりましたし、信頼関係が深まりビジネスにも発展しました。そのイベントで仲良くなった方は他にもたくさんいますが、今も顔を合わせるたびに『あの時はすごかったね』と話が盛り上がります。 WeWork でのこうしたつながりが、ビジネスでも通用する関係を育てるのだと思います」

ー WeWork で見られるこうしたつながりは、ときに人生が変わるような変化をもたらします。畠田氏は、その体験者の1人といえるでしょう。

1度目の入居時に知り合った WeWork メンバーのエンジニアから、プログラミングの重要性を説かれ、従業員と共にその方が講師を務めるスクールでプログラミングを学びました。その結果、システム開発を手がける事業へとシフト。同時に、大手企業と WeWork 内でつながり、ビジネスへと発展する経験を積むことができたのです。

プログラミングスクールでの縁からAIについて詳しく知る機会を得た畠田氏は、その可能性に感銘を受け、事業をAIに特化する決断をします。自身が持っていた金融や会計の知見を組み合わせ、有価証券報告書などの開示資料をAIが読み込み解析するビジネスの発想を得たのです。こうして、これまで手間のかかっていた金融や証券領域のバックオフィス業務・リサーチ業務などを自動化するプロダクトの開発に乗り出しました。

 WeWork 入居後の事業内容の変遷について、畠田氏は次のように語ります。

畠田氏: WeWork にいたからこそ、事業のブラッシュアップやイノベーションを成し遂げることができたと感じています。そしてJPX総研様との協業という出来事によって、その思いは決定的になりました。

WeWork ギンザシックスの会議室にてインタビューの様子
3分でわかる WeWork

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コミュニティチームのマッチングがきっかけに。ひふみが引き寄せた千載一遇のチャンス

ひふみは WeWork KABUTO ONEに入居する株式会社JPX総研との出会いを通じて、新たなビジネスチャンスへとつながったと言います。JPX総研は、東京証券取引所などを運営する日本取引所グループの企業であり、両社を引き合わせたのは、 WeWork のコミュニティチームのヒアリング活動がきっかけでした。

コミュニティチームは、入居企業がどのような目的や課題、要望を持っているのかを把握し、その解決に向けてできることを念頭に置いて日々の活動を行っています。JPX総研へのヒアリングによって、同社が働き方改革の一環としてAIを本格的にビジネスに取り込みたいと考えていることを知ったコミュニティチームは、多くの企業にも共通する課題であったためKABUTO ONE、ギンザシックス、東京スクエアガーデンという WeWork 3拠点による「働き方改革」をテーマにしたイベントを実施しました。

イベントでは企業が抱える課題を解決できるソリューションを提案できる WeWork 入居企業にピッチで参加してもらう予定でした。コミュニティチームは日ごろの会話を通じて、ひふみが持つ「AIスタートアップであると同時に金融・証券領域の知見がある」という強みと、「その力を日本経済に対する影響力の大きい企業に注ぎ込むことで日本企業の発展に貢献したい」という畠田氏の思いを把握していました。そこで、コミュニティチームは、ひふみに対してピッチイベントへの登壇を勧めたのです。

畠田氏は前述のようなコミュニティチームの働きかけもあってイベントへの参加を決めました。当日、JPX総研の課題を前に急遽自社アプリのデモを交えたプレゼンテーションを行いました。その内容は、JPX総研の興味関心にぴったり合致し、こうして「金融・証券×AI」という共通の未来図を描く両社の出会いが実現しました。

その後両社の話し合いが進み、株主招集通知書をひふみが独自に開発したAIが読み込み、特定の情報を抽出するプロダクトのリリースに向けてPoC(概念実証)を行っています。

AIなどのテクノロジーを取り入れて事業を大きく変革したいと考える企業は多いものの、それを実現するパートナーを見つけることは容易ではありません。特に、JPX総研のように専門性の高い領域の企業にとってはなおさらのことです。一方で、ユニークなソリューションを持つ企業も、それを必要とする相手がどこにいるのかを知ることは難しいのが現実です。

今回の一連の経緯を振り返って、畠田氏はこう述べます。

畠田氏: WeWork への入居、そしてコミュニティチームのサポートがなければ、当社はJPX総研様と出会うことも、現在のように協業に至ることもなかったでしょう。感謝しかありません。

ひふみ株式会社 畠田氏の体験談から、WeWork は単なるワークスペースではなく、入居企業 の成長を多角的に支援するプラットフォームであると言えるでしょう。
予期せぬビジネスのきっかけなどの触媒となり得る WeWork の環境を活かすためには、施設やサービスだけでなく、コミュニティ スタッフとの関係を築き、自社のビジョンや強みを共有する姿勢が重要であることもわかります。

⚫︎JPX総研がひふみ株式会社と出会い、イノベーションを成し遂げた事例記事はこちら

 

畠田氏が数々の出会いを経験したパントリーにて

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