思いきった働き方改革とオフィス再構築で、より確実に効率的なMR活動を
WeWork の利用で環境負荷を減らす
さまざまなビジネス活動に適した場所があるのが WeWork
1715年にロンドンで開設された薬局から始まり、現在は世界に約10万人の社員を抱えるバイオ医薬品のグローバルリーダーであるGSK。サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義として、さまざまなワクチンや医療用医薬品を開発し、今後10年間で25億人超の人々の健康に貢献することを目標に掲げています。
日本で1953年に設立されたグラクソ・スミスクライン株式会社は医療用医薬品の開発、輸入、製造および販売事業を展開し、2022年10月から西日本における拠点として WeWork 御堂筋フロンティア の専用オフィスを利用されています。
常にイノベーションに重点を置いてグローバルヘルスを牽引する同社のワークプレイス・リアルエステート&ファシリティーズ部長である長坂 将光氏に、オフィスのあり方の見直しから WeWork への入居を決めるまでの経緯、なぜ WeWork を選んだのか、WeWork に期待すること、そしてこれからのオフィスの姿はどうあるべきかを伺いました。
思いきった働き方改革とオフィス再構築で、より確実に効率的なMR活動を
── 長坂さんご自身の職務内容について教えてください。
長坂:私は、グラクソ・スミスクライン株式会社のワークプレイス・リアルエステート&ファシリティーズ部門で不動産の賃貸借管理、ワークスペースの構築、社員へのソフトサービスの提供、安全衛生管理やフィジカルセキュリティを担当しています。私たちが業界をリードするグローバルヘルスケアカンパニーとして掲げている「自分らしく、いきいきと、成長を実感しながら働ける職場を提供」するための環境構築と運営に関する部分を統括しています。
6年前までは本社を含めて全国に74拠点を展開していましたが、現在は、東京本社、大阪(WeWork 御堂筋フロンティア)、高松の3か所に加え、生産拠点工場を今市に置いています。
── オフィスのあり方を見直すに至った背景を教えてください。
長坂:テクノロジーの進化やMR(Medical Representatives:医薬情報担当者)の働き方の変化、また薬事申請の電子化など、製薬業界を取り巻く状況が大きく変わりつつあることを受けて、私たちはすでに2017年から働き方を変えようとしていました。特に、医師をはじめとした医療従事者に対し、医薬品の品質や安全性などの必要な情報をお届けするMRがもっと情報提供先の医療従事者の方々と時間を使えるように働き方を変えよう、そこからオフィスも再構築しようという話になりました。
MRは、全社員の半分を占める大きな部署です。以前は医療機関や医薬品卸企業の訪問などの外勤活動に加えて、オフィス内で活動記録の入力や資料の印刷、打ち合わせや情報交換を行っていました。しかし、考えてみれば打ち合わせはリモートで実施可能ですし、直行直帰もできます。新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が始まる前から、弊社ではそのような働き方改革を行ってきました。日本にある外資の製薬企業でも早く取り組んだほうだと思います。
── 思いきった働き方改革ですが、どのように進めたのでしょうか?
長坂:営業所の廃止は、まず、ある一部の地域で小規模拠点を設定し実験することから初めました。営業支店長と話し、この取り組みへの興味が高く自分の組織でチャレンジしたい部署を対象に、マネジメント層の合意を得ながら実施しました。実際にやってみる中で出てきたプリンターの問題や必要な部材の社員への届け方をはじめとした、さまざまな課題をリストアップして解決策を示し、フェーズを分けながら対象地域を広げつつ、2年半かけて移行しました。2017年から始めて、ちょうどパンデミック前に完了しました。最終的に、政令指定都市の拠点をクローズしたのが2021年でした。
── 社内の反応はいかがでしたか?
長坂:現在のようにリモートワークが主流になる前だったので、社内でも「どうしてこれまでのやり方を今、変えなければならないのか?」という意見が多くありました。
しかし、このような働き方改革は経営判断のひとつであったともいえます。患者さんのために、より良い薬をいち早く届けるために、少しでも早く社員の働き方を変え、より効率性の高いビジネスモデルにするという動きが日本のマーケットで必要だと判断されたわけです。
── コスト削減のためにオフィスを手放すというお考えもあったのでしょうか?
長坂:働く場所と社員の働き方の最適化を進めるにあたり拠点数を減らしたため、たしかに場所にかかるコストは削減できています。一方で、それに付随してITデバイスや社員が働くための物品の配送ルートの見直し、社員をサポートするための仕組みの構築へ投資しています。おかげで、社員はよりMR活動にフォーカスできるようになり、必要とする方に、必要なタイミングで医療情報を提供することの精度が上がっていると感じています。
「場所に集まる」ことでなく「自分たちがどう行動するか、どう働いていくか」を考えたのが今から5年前のことですが、私たちのこの働き方が現在、日本の外資系製薬企業のトレンドになってきていますね。
WeWork の利用で環境負荷を減らす
── WeWork をご検討いただいた経緯について教えてください。
長坂:働く場所の最適化において、最終的に大阪と高松、コールセンターがある沖縄を残すことが決まっていました。しかし、ちょうどそのときコロナ禍に入り、リモート環境が整ったため沖縄の拠点はクローズしました。大阪はどちらかと言えば、社員が働く拠点としてというよりも、東京本社のBCPサイトとして考えていました。検討段階の最後には一般賃貸オフィスにし自社でサービスを提供するプラン、WeWork のようなサービスが含まれたフレキシブルオフィスを利用するというプランが残りました。
── そこで WeWork を選ばれたのはなぜですか?
長坂:ひとつはフレキシビリティです。必要なときに、必要なサイズのオフィスを、必要な期間だけ借りられる柔軟性ですね。私たちのビジネスもテクノロジーなど外部環境や情勢の変化にニーズが左右されるため、サイズが大きくなったり小さくなったりします。それに対応できる柔軟性がオフィスにも必要でした。
次に、この規模(35名)のオフィススペースを借りた際に、社員へのサービス提供のためにオンサイトにスタッフを1名置くかどうかを考えました。日々のサービス提供を円滑に行うためにだれかを置くよりも、WeWork のように環境ソフトサービスを安定した状態で一括提供してもらえるサービスオフィスのほうが良いと判断しました。
最後に、環境負荷に対しての考えからです。たとえば共用スペースである WeWork のラウンジや会議室、パントリーなどはみんなで使う場所なので、ひとりあたりの環境負荷が下がります。また日本では、一般賃貸には標準内装がついてくるため、私たちが望むオフィスにしようとすると既存の内装を解体し、工事し、退去時には原状回復しないとならず、入居時と退去時に合計2回の工事が必要です。その点、WeWork ならデザイン性が高く施工されたスペースを借りるだけで済み、最後はきれいに清掃すれば良いだけです。私たち自身が環境に対し負荷をかけるような工事をする必要がないこと、加えて契約してから退去するまでの全期間を考えた際に一般賃貸だと入居と退去に数か月ずつかかってしまうことも、短期的にビジネスを考えた場合、大きな差を生みますね。
── 環境対策について、御社内にベンチマークがあるのでしょうか?
長坂:社として「2030年にすべての事業領域で温室効果ガス排出をネットゼロにする」というゴールがあります。国や拠点によってチャレンジの方法が違うものの、いかに環境に配慮しながらオフィス作りをしていくか? が社内の共通マインドとして存在しています。
これにはオフィスの電力なども含まれており、フレキシブルオフィスの場合、専用エリアのみをカウントしています。日本では電力を直接購入できないため、現在、ビルオーナーの方にグリーン電力への切替をお願いしているところです。日本でも最近、同じような取り組みが見られるようになりましたが、私たちがすぐにできるところとできないところ、コストがかかるところとそうでないところがあるため、まずは自分たちの周りのできるところから環境施策を作って実行しているところです。
さまざまなビジネス活動に適した場所があるのが WeWork
── WeWork 御堂筋フロンティア はどのようにお使いですか?
長坂:たしかにBCPサイトのニーズから契約しましたが、現在はBCPサイトとして利用していないため、打ち合わせや会議などで WeWork が持つ機能を最大限活用してビジネスをより円滑にしようとしています。
WeWork 御堂筋フロンティア は現在、1on1ミーティングでの利用がメインです。弊社のMRの6割が東京と大阪エリアにいるため、WeWork 御堂筋フロンティア に来るのは、京阪神や西日本で活動するMRです。主に部門長やマネージャーが部下をゲストとして呼ぶかたちで実施しています。
このミーティングはオープンにできるものなので、WeWork の共用エリアで、上司も部下もよりカジュアルかつ日常的な雰囲気で必要なアドバイスや業務の話ができるようにしています。これまでは1on1のためのスペース、外の人とつながるためのビデオ会議室、チームで集まれる会議室など、ひとつひとつの機能をその都度別々に借りていました。少人数ならホテルの会議室、ひとりだけの会議なら移動の車中、1on1ならどこかのスペースを借りるなどしていたのです。ただ、このやり方は効率的ではありません。私たちのビジネスを円滑にするアクティビティがさまざまあり、それぞれのアクティビティに適した場所が WeWork にあったという感じですね。
WeWork 御堂筋フロンティア にあるGSKのオフィス
── 新型感染症の流行を機にリモートワークが導入され、オフィスの存在意義が大きく変わりつつあります。今後、ワークプレイスの形はどうあるべきとお考えでしょうか?
長坂:私は、それぞれのライフステージにあった働き方があると考えています。パンデミックを機に、デスクやチェア、Wi-Fiなど快適に仕事ができる環境を自宅に装備した人も多いでしょう。しかし、大学を卒業したばかりの人がいきなり在宅勤務をして、社会のさまざまな物事や動き、自分の業務などをきちんと見て知って理解することができるでしょうか? 社員同士が一緒に成長していけるよう、ライフステージに適したワークプレイスや働く環境を会社として提供することが必要だと思います。
次に、ABW(Activity Based Working:業務内容にあわせて時間や場所を自由に選択できる働き方)などそれぞれの働き方にあった場所を提供していきましょうという流れに、在宅勤務という機能が加わったのがコロナ禍です。オフィスでも自宅でもないサードプレイス、みんなが集まれるような場所が選択肢として登場したのも大きな変化です。ただし、会社のオフィス、つまり社員が集まる場は絶対になくならないし、これまで以上に重要性が増してくると私は考えています。
なぜなら、会社への帰属意識を作る場所としてオフィスが存在するためです。何のためにこの会社で働き、この会社とともに自分はどう成長していくのかを考える場所がオフィスなのです。また、ストレートに話ができる同僚などからのアドバイスや気づきが得られる場所、つまり場を共有して一緒に働くことで成長の機会や日常的な業務を円滑に進める情報をもらえるのがオフィスです。ビジネスのみならず個人の成長にとってもプラスに働くと思えるオフィス環境があれば、帰属意識も社員満足度も上がるでしょう。
最近は、環境保護に対する投資や安全管理を含めた日常的なサービス、つまりソフト面への投資を考えると、世界的なトレンドとしてサービスオフィスがベストな選択肢として上がることが多いという印象がありますね。
── 今後、WeWork へ期待されることは何でしょうか?
長坂:行けば健康になれるオフィス、つまりウェルビーイングが実現できるオフィスの需要があります。たとえば、社員食堂で健康的な食事を提供することや、健康への気づきを与えたり考えさせたりするイベントなどです。私たちも歩数を競い合うイベントを行ったりすることで、新しい気づきや発見を得るだけでなく、一緒に参加した人たちとの横のつながりを作れるようなイベントを実施しています。
日々、それぞれが個人で働いているからこそ、オフィスではお互いを知るきっかけを提供したいと考えています。WeWork でも、今後はウェルビーイングをテーマに、有機的に社員同士がつながることができる場が構築できると良いですね。
* 本記事は2022年12月に実施したインタビューを元に作成しています
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