
6月27日、WeWork 赤坂グリーンクロスにて、内閣府と13の自治体および企業が集結し、新たな官民共創の展開と、国の施策・地方の現状を共有する「官民共創カンファレンス2025」を、内閣府、官民共創支援組織である株式会社Doooxとともに開催しました。
<イベント概要>
官民共創カンファレンス2025
日時:6月27日(金)
場所:WeWork 赤坂グリーンクロス
主催:株式会社Dooox、内閣府、WeWork Japan
参加自治体:
宮崎市、白浜町、上越市、堺市、泉佐野市、広島市、名古屋市、札幌市、高松市、豊橋市、和歌山市、紀の川市、鳥取県(順不同)

▪️「地方創生テレワーク」と内閣府の施策とは
まずは、内閣府ご担当者様より、「地方創生テレワーク」と内閣府の施策についてご紹介いただきました。
「地方創生テレワークとは、国が地方のデジタル化を支援する デジタル田園都市国家構想総合戦略 を発展的に継承させた 地方創生2.0基本構想 (6月13日に閣議決定)の中で提唱する、人や企業の地方分散を一層促すための取り組みです。
単なるリモートワークではなく、地方におけるサテライトオフィスでの勤務等を通じて地方創生に資するテレワークを指します。これにより、関係人口増加や人口の流出防止を目指す『自治体』、新規事業創出や地方サテライトオフィスの設置を考える『企業』、そして転職なき移住やワークライフ・バランスの向上を実現したい『働き手』の三者にメリットをもたらし、都市部から地方への新たな人の流れを作り出すことを狙いとしています。
さらに、この流れを加速させるための施策として、情報提供をはじめ、優れた取り組みを表彰する『地方創生テレワークアワード』や熱意ある自治体と企業を繋ぐマッチングの仕組みのある官民共創マッチングコミュニティ『地テレ共創ハブ』といった施策実施しています」
■ 自治体担当者の「成功と失敗」をリアルに共有
次に、3自治体のご担当者様より、地域課題解決の体験共有として、成功事例だけでなく、失敗から学んだことや今後の課題についてもお話しいただきました。
① 白浜町 ( 和歌山県 )
ワーケーションの聖地と言われ、16社の企業誘致に成功している白浜町。かつては、進出した企業にオフィスを提供するだけのいわゆる大家としての関わりにとどまり、企業に関わることはほぼなかったそうです。そのため企業側は白浜町にオフィスを持つ意味を見出せず撤退してしまうことが相次いだそうです。進出後にこそフォローが必要ということがわかった白浜町は、求人相談にのったり、時には一緒に釣りや食事をしたりしながら、企業と一緒に考え、楽しむ伴走者へと姿を変えました。結果、持続可能な関係構築ができ、現在は地域企業も巻き込んだ「一般社団法人 白浜イノベーションハブ」を設立。更なる企業・ワーケーション誘致促進に加え、地域人材の能力開発、人材マッチング、地域産業活性化を目的とした企業間連携およびプロジェクト支援、地域振興につながる実証実験の企画・実施が進んでいます。


② 堺市 ( 大阪府 )
企業誘致よりも、地域課題の軽減や解決をしてくれる企業とのつながりを求め、WeWork に東京事務所を開設した堺市。少子高齢化の課題を抱える同市では、日野コンピューターシステムとの共創により、高齢者サロンにおけるVRゴーグルを活用した認知症予防の実証が実現しました。また、株式会社Meta Osaka、株式会社Blockin、日本IBM株式会社といった企業との共創により、市内の学校において、探求学習やアイデアソン、Robloxを活用した防災教育の実施が叶いました。課題としては、本庁と東京事務所との温度差があげられ、それに対しては、本庁職員にできるだけ東京事務所に足を運んでもらい、WeWork のコミュニティやイベントに参加してマッチングが起こる現場を体験いただき、それを本庁に持ち帰って周囲に伝えてもらうことが有効だとお話しいただきました。


③ 豊橋市 ( 愛知県 )
農業が盛んな豊橋市では、農業の課題を可視化し、その課題にアプローチできるアグリテック企業を募集しています。イベントやコンテストを通し、50社以上のアグリテック企業と連携し、9つの実証開発プロジェクトを組成。果樹の剪定枝などの未利用バイオマスの有効活用や、コンパクトかつパワフルな畝間の草刈りロボットの開発、多用途対応可能な自動走行ロボットの開発などが進んでいます。一方、実証実験に協力いただける農家の拡大や、成功事例を作るには時間がかかるという課題があるものの、「外からの熱量が地域をエンパワーメントする」という仮説のもと、すぐに答えはでなくても手応えを感じる日々であるとお話しいただきました。


■ 意見交換会、参加者全員で語る「官民共創」
続いて、参加者全員による意見交換会も実施。国や⾃治体、⺠間企業の垣根を越えて、リアルな課題感や解決の⽷⼝を探る対話がなされ、それぞれの垣根を超えて、具体的な課題や意見を交わすことができました。
参加自治体からは、「成功事例だけではなく、失敗から学んだことや課題も含めて共有いただけ、共創のヒントを得ることができた」「国の政策を現場で実行する上での具体的な課題を、内閣府担当者に真剣に問うことができる貴重な場であった」「企業の他、同じ悩みを抱える自治体とも情報を交換ができる有益な機会であった」といった声が寄せられました。


WeWork Japan は今後も、入居メンバーに加えて内閣府をはじめとする各省庁、そして自治体と連携しながら、地域課題と解決策を本音で対話できる場を継続的に創出し、官民共創を軸とした地方創生、地域活性化の新たなモデル創出に貢献します。