
はじめに
ビジネスリーダーは「目的別に設計された」オフィスを重要視
「ダイナミック」なオフィスは企業の必需品
世界的なトレンドとは?
WeWork は、昨年グローバルなオフィスデザインのトレンドに関する調査結果を公表しました。
その翻訳記事をご紹介します。
エビー・ワイズカーバー 著
2024年2月8日
はじめに
この「グローバルオフィストレンドレポート」は、パンデミックを契機に、ここ数年で従業員が職場に求める要素の変化や世代交代にふれながら、従来の「オフィス」の概念が根本的かつ不可逆的にどう変化したかを包括的に調査し、今後の見解を示したものです。
※レポート本文は英語版のみとなっております。

ビジネスリーダーは「目的別に設計された」オフィスを重要視
過去4年間で集められた数千ものデータポイントを分析したこのレポートは、パンデミック前と比較し、オフィスの人員密度が低下していることを明らかにしました。出社頻度がこれまでより減った代わりに、ビジネスリーダーは、企業文化と生産性両方の向上を目指し、「全員参加」型の執務室やセミナールームといった「目的のある」専用のワークスペースを重要視しています。また、ラウンジスペースへの需要も高まっています。これまでの形式ばった画一的なオフィスや役員室ではなく、ホスピタリティと快適さを融合させ、質の高い対面での体験を生み出すことにつながるような、よりリラックスした環境のワークプレイスを世界中の人々が求め移行しているという背景があります。
「ダイナミック」なオフィスは企業の必需品
現代の職場環境の基準が急速な進化を続けるなか、新しい働き方を取り入れることで最大限の成果を上げたい企業にとって、「ダイナミック」なオフィスが譲れない要件であることが今回の調査で明らかになりました。長年にわたり、企業における本社部門の定番となってきた、従来型の無機質で密集したオフィスレイアウト。対して「ダイナミック」という新たなデザインコンセプトは、再構成ができ、目的主導型の空間設計や多様な家具の配置や統一された照明グリッドを特徴としており、企業は容易かつ最小限のコストで働く場を変革することができます。
現代において、この本質的な柔軟性は特に重要です。それは、多種多様な業務ニーズに対応するだけでなく、絶えず変化するビジネスの優先事項や、今日そして将来における現代的なモジュラーオフィスのあるべき姿に対する従業員の期待に、リーダーが応えうる能力を示すことにもつながるからです。
WeWork グローバルデザイン責任者、エビー・ワイズカーバー氏 はこう説明します。
「WeWork 初のデザインレポートでは、世界中の数千ものメンバー企業から得られた私たち独自の知見を活用し、今日のワークプレイスを特徴づける最新トレンドを深く掘り下げました。極めて明白なのは、万能薬は存在しない、ということです。従業員は、自宅では実現できないコラボレーションや交流のために、これまでとは異なる用途のオフィス環境を求めています。また、企業文化と生産性を高めるために、意図的に設計された空間を求めるビジネスリーダーも増えています。」
「ニーズと期待が進化し続けるなか、『ダイナミック』なオフィスは、将来を見据えたワークプレイス戦略を目指すビジネスリーダーにとっても、信頼できる選択肢です。オフィス回帰後のリスキリングや従業員のニーズに合わせた環境の調整、そして今後何年にもわたるサービス提供の強化といった最適解を持つオフィスこそが、ビジネスリーダーにとっても大きなメリットとなるでしょう。

WeWork のオフィスデザイントレンドに関する今回のレポートが示す主な調査結果は、次のとおりです。
- 共有エリアとラウンジスペースは増加している一方で、エグゼクティブオフィスと会議室は減少
WeWork の調査によると、共有エリアや「ラウンジ」スペースなど、コラボレーションを促進するために設計されたスペースは、パンデミック以前と比較した際、2023年には19.3%増加しました。多くの企業が「オフィスへの回帰」を推進し、よりダイナミックで柔軟性の高いスペースへと再構築する中で、以前はエグゼクティブオフィスとして使用されていたスペースをラウンジやミーティング、またはワーキングスペースに再利用する企業が増えています。スペースの再利用は、コラボレーションや社会的交流、そしてつながりのための空間が生まれたことを強調しています。この新たな目的を持ったオフィスは、パンデミック以前は一般的に細分化されていたオフィス環境に取って代わる存在でもあるのです。

- 非伝統的なワークスペースが新たなアメニティに
生産性と企業文化の向上に役立つ労働環境を重視するビジネスリーダーにとって、「非伝統的な」ワークスペースは新たな空間として注目されています。WeWork のレポートによると、68%の企業が「非伝統的な」執務空間は生産性向上のためにあるとしており、例としてカスタマイズされた役員会議室や集中するためのスペースなどを挙げています。一方、32%は、「全員参加」型の部屋やウェルネスルームなど、企業文化と従業員のウェルビーイングを向上させることを目的としたスペースを必要としました。このデータは、ビジネスインパクトを生み出すためのオフィスデザインの価値を、企業が認識し始めていることを示しています。

- パンデミック以前と比べ、オフィスの人口密度が低下
オフィスの平均的な人口密度は大幅に低下し、パンデミック以前の水準を下回り続けています。これは、柔軟な働き方の導入により、ほとんどの企業が従業員全員が常時オフィスに出社することを想定していないようになったことが原因です。そのため、企業はレイアウトを見直し、ラウンジスペースや「ワークポイント」を最適化することで、コラボレーションを促進するだけでなく、オフィスの混雑時にはワークステーションとして再構成できるようになりました。

世界的なトレンドとは?

ロンドンにある、Multiverseのカスタマイズされた本社オフィスをご紹介します。
マルチバースのチーフ・オブ・スタッフ、リビー・ダンゴール氏は「私たちの野心的な目標を達成するために、仕事と学習の両面において、私たちは従業員が最高の成果を上げられるよう支援することに注力しています。」と語ります。「ハイブリッドなアプローチを通じて、Multiverseで働く従業員は、リモートワークの利点と対面でのコラボレーションが生み出す価値とWeWork の快適なオフィス環境を両立させ、それぞれの働き方で自由に働くことができるのです。」
米・ニューヨーク発の WeWork は、グローバル37か国600拠点以上* に展開しています。日本国内では2018年2月にサービスを開始。現在は、2024年1月に設立したソフトバンク株式会社100%子会社のWWJ株式会社( WeWork Japan)が WeWork の運営を担い、日本国内7都市約40拠点* でフレキシブルオフィスを展開しています。創造性や生産性が高まる空間デザインを用いたワークスペースにおいて、月単位での契約、1名から数百名規模におけるオフィスの拡大・縮小、国内30拠点以上の共用エリアの利用が可能になるプロダクトなど、柔軟なオフィスソリューションを提供しています。 *2025年2月時点
現在のオフィス、見直しませんか?
オフィスをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。
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*レポートの分析方法
このレポートは、2019年5月から2023年6月までの世界中のWeWork メンバーアカウントとカスタマイズリクエストから得られた定性データと定量データを組み合わせたものです。具体的には、以下の点を分析対象としています。
2021年6月以降の25件の主要法人取引
3,000件を超える法人メンバーからのオフィスデザイン要件リクエスト