時代の変化が激しくなるにつれて、企業には新規プロジェクトへの取り組みが求められます。プロジェクトを推し進める人材としてプロジェクトマネージャー(PM)が任命されますが、近年ではプロジェクトをより効率よく進めるための「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)」の設置に大きな注目が集まっています。
本記事では、プロジェクトマネジメントオフィスについて基本的な事項を説明するとともに、導入することのメリットについて紹介します。
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)とは?
日本では少子高齢化が急速に進んでおり、消費者の需要が大きく変わりつつあります。また、世界は迅速なスピードで変化しており、既存の商品やサービスはすぐに過去のものとなってしまいます。これらのことより、企業には新規プロジェクトへの取り組みが求められています。
企業は、新しいプロジェクトを推進するための人材としてプロジェクトマネージャー(PM)を任命しますが、優秀なプロジェクトマネージャーは多くの仕事を抱えていることも多く、限られた時間の中でプロジェクトを効果的に推し進めることは困難です。
そこで重要になるのが、PMOです。PMOとは「Project Management Office」の頭文字を取ったもので、日本語では「プロジェクトマネジメントオフィス」と呼ばれます。
プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトマネージャーとともに新しい取り組みを推進する組織や空間であり、プロジェクトマネージャーをサポートする役割を果たします。プロジェクトマネージャーだけでは達成困難なプロジェクトも、プロジェクトマネジメントオフィスとの協力により優れた成果をあげられることも多いことから、新規プロジェクトに取り組む多くの会社がプロジェクトマネジメントオフィスの設置を検討しています。
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プロジェクトマネージャーとの違い
プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトマネージャーとともにプロジェクトのマネジメントを担っていく部署であることから、プロジェクトマネージャーと混同されがちです。「プロジェクト成功のために行動する」という点については同じですが、プロジェクトマネージャーとプロジェクトマネジメントオフィスは別の概念のため、しっかりと理解しておく必要があります。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの運用を任された個人です。会社から依頼されたプロジェクトを推し進めるリーダーともいえる人材で、プロジェクトに関する大きな権限を持ちます。
その一方でプロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトをより効果的に進めるために設置される組織や空間です。プロジェクトマネージャーの仕事の一部を担うことでサポートしたり、プロジェクトマネージャーとコミュニケーションを図ったりしながら、よりよいプロジェクトになるよう尽力します。
プロジェクトマネージャーの下部組織としてプロジェクトマネジメントオフィスを置く場合と、プロジェクトマネージャーを含んでプロジェクトマネジメントオフィスとする場合の2種類がありますが、両者の協力のもとでプロジェクトをよりよく進めようとする点においては同じです。また、規模の大きなプロジェクトになれば、10人を超える人材でプロジェクトマネジメントオフィスを組織することもありますが、プロジェクトマネージャーを支える2~3名でプロジェクトマネジメントオフィスが組まれることもあります。
企業やプロジェクトによってプロジェクトマネジメントオフィスの規模は異なりますが、プロジェクトマネージャーの力を最大限に活かし、プロジェクトを成功させるために大きな役割を果たすことから、プロジェクトマネジメントオフィスへの注目度が高まっています。
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プロジェクトマネジメントオフィスの職種や役割
プロジェクトマネジメントオフィスの規模は企業やプロジェクトによってさまざまです。また、プロジェクト内容によって必要な職種や役割も変わりますが、以下のような職種や役割を設けることが一般的です。
・プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)マネージャー
「プロジェクトマネジメントオフィスマネージャー」は、プロジェクトマネジメントオフィスの人材や仕事をマネジメントする役割を担います。プロジェクトマネージャーは多くの仕事を抱えていることが多く、プロジェクトマネジメントオフィスメンバーの管理は困難です。プロジェクトマネージャーに代わり、PMOの人材の管理や教育、適切な仕事分配などを行い、プロジェクトマネジメントオフィスがよりよく機能するようにマネジメントします。従業員やプロジェクトマネージャーからの高い信頼がおかれるポジションです。
・プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)エキスパート
「プロジェクトマネジメントオフィスエキスパート」は、プロジェクトに関連した各種データの分析や効果的なマーケティング方法の提案などを行います。プロジェクトマネジメントオフィスの頭脳ともいえる存在で、プロジェクトの達成度に大きく影響するポジションであることから、経験やスキルの豊富な人材が担います。
・プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)アドミニストレーター
「プロジェクトマネジメントオフィスアドミニストレーター」は、主にプロジェクトにおける事務的な作業や問い合わせへの対応などを行います。新しいプロジェクトを遂行する際には膨大な書類を作成する必要があるため、プロジェクトを効率よく進めるために重要なポジションです。勤怠管理や経費管理、ミーティングの手配なども行います。
・プロジェクトマネージャー(PM)セクレタリー
「プロジェクトマネージャーセクレタリー」は、プロジェクトマネージャーとともに行動し、必要に応じて仕事の一部を代行するポジションです。プロジェクトマネジメントオフィスが設置される場合は、プロジェクトマネジメントオフィスの役割の1つとして置かれることがあります。
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プロジェクトマネジメントオフィス導入のメリット
プロジェクトマネジメントオフィスを導入することにより、プロジェクトをチームとして進めることができるようになるため、さまざまなメリットが期待できます。プロジェクトマネジメントオフィス導入の主なメリットについて紹介します。
メリット① プロジェクトの達成度を高める
プロジェクトマネージャーのサポートがプロジェクトマネジメントオフィスの主な役割です。プロジェクトマネージャーがプロジェクトの企画からマネジメント、雑務や顧客対応などをすべて実施しているのでは、プロジェクトの進行が遅くなります。そのため、プロジェクトマネージャーが抱える仕事をプロジェクトマネジメントオフィス内の従業員に分配し、チームとしてプロジェクトを強力に推し進めます。
これにより、プロジェクトの進行度が格段に向上し、より速く、より効率的にプロジェクトを達成することができます。
メリット② さまざまな意見によりプロジェクトの質が向上する
プロジェクトマネージャーのみでプロジェクトを企画・マネジメントするのでは、どうしても考え方ややり方が凝り固まってしまいます。場合によっては、プロジェクトマネージャーの独断と偏見でプロジェクトが進んでしまうこともありえます。
同じプロジェクトに従事しているプロジェクトマネジメントオフィスのメンバーから意見をくみ取り、常に新しい考えを取り入れることで、プロジェクトの方向性を整理できるとともに、質をより高めることができます。
メリット③ プロジェクトの推進力を強化する
プロジェクトマネージャーのみでプロジェクトを進めようとする場合、まわりの従業員はプロジェクトマネージャーのみの意見だと思ってしまい、反対する人も出てくるかもしれません。プロジェクトマネジメントオフィスとしてチームを組むことで、プロジェクトマネージャー個人の意見ではなく、プロジェクトマネジメントオフィス全体の意志として意見を挙げられるようになるため、賛同が得やすくなり、結果としてプロジェクトの推進力が高まります。
メリット④ プロジェクトを可視化できる
プロジェクトをプロジェクトマネージャーのみで進める場合、進捗状況や取り組みの様子が見えにくくなる場合があります。プロジェクトマネジメントオフィスを設置しプロジェクトを可視化することで、プロジェクトの内容が見えやすくなり、まわりからの評価や理解が高まります。
メリット⑤ 臨機応変な対応が可能になる
プロジェクトマネージャーが忙しい場合、問い合わせへの対応が疎かになり、貴重な顧客や問い合わせを失ってしまうこともあります。プロジェクトマネジメントオフィスとしてプロジェクトに複数人であたることで、重要な情報に対して臨機応変な対応が可能になります。
メリット⑥ 新しいプロジェクトが生まれやすくなる
プロジェクトマネジメントオフィスは、1つのプロジェクトのみをサポートする場合もあれば、社内の複数のプロジェクトをサポートする場合もあります。もしプロジェクトマネジメントオフィスがすでに社内に存在していれば、新規プロジェクトのために新しい組織を生み出す必要がなくなり、迅速にプロジェクトを開始できます。その結果、新しいプロジェクトが生まれやすくなります。
PMOに求められるスキルと向いている人
PMOにはコミュニケーションやマネジメント、文書作成能力、プログラミングといった幅広いスキルが求められます。それぞれのスキルを持ち合わせている人が適任といえます。
・コミュニケーションスキル
PMOは組織全体における調整を担うため、コミュニケーションスキルは欠かせません。従業員と経営陣との間を取り持つだけでなく、顧客との打ち合わせに参加するシーンも多くあります。コミュニケーションを通して、お互いの意思疎通を円滑に行える人が向いています。
・マネジメントスキル
PMOはプロジェクトの立案やスケジュールを管理する役割もあります。特に規模の大きいプロジェクトを担当する際には全体の編成を組んだり、予算・人員・リスクなどを管理したりするスキルも必要です。組織全体をまとめる力や、過去にプロジェクトを管理した経験が求められます。
・文書作成能力
言葉によるコミュニケーションに加え、文書作成能力も必要です。ミーティングに用いる資料の作成やプロジェクトの計画表、報告書を文書としてまとめるスキルが求められます。
・プログラミングスキル
PMO自体がプログラミングを行うわけではありませんが、一定の開発スキルやプログラミング知識を備えていると、現場で働くエンジニアとのコミュニケーションをスムーズに進めることができます。また、現場全体の状況を把握するためにも、一定のプログラミングスキルが必要です。
まとめ
本記事では、プロジェクトマネジメントオフィスの意味や役割、プロジェクトマネージャーとの違いなどについて紹介してきました。プロジェクトマネジメントオフィスがプロジェクトマネージャーを適切にサポートした場合、プロジェクトの成功度は格段に高まります。新規プロジェクトに取り組もうと考えている企業は、プロジェクトマネジメントオフィスの設置を検討してみるとよいでしょう。
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