公開日:2024.05.15|更新日:2024.05.17

法人登記の手順や必要な書類、費用について徹底解説!

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法人登記とは

法人登記の種類

法人登記の前に必要な対応と手順

法人登記の作業内容と手順

法人登記の手続きに必要な書類

法人登記の3つの手続き方法

法人登記にかかる費用

法人登記の手続き後について

法人登記の変更が必要な場合

法人登記を行わないとどうなる?

法人登記に関するよくある質問

まとめ

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多様な働き方が定着しつつある現在。大手の新規事業部署やスタートアップ、個人事業主へ向けて、法人登記に対応したシェアオフィスが改めて注目されています。本記事では、法人登記に関するポイントおよび注意点・メリット・手順について詳しく解説します。

法人登記とは

法人登記とは、法人としての法的地位を得るための手続きであり、会社や団体が法人格を持つために必要な登記です。これにより、法人は法的に独立した存在として事業活動を行うことができます。

法人登記と会社登記の違いとは

法人登記と会社登記は、対象となる組織や手続きが異なります。

法人登記は、法的な主体としての法人を設立するための手続き全般です。法人登記によって、法人としての組織が法的に認められ、法人として活動を開始することができます。法人登記には、株式会社、合同会社、有限責任事業組合などの法人形態が含まれます。

一方、会社登記は、法人やその他の法的な主体が「会社法」に基づき登録される手続きのみを指します。具体的には、株式会社や合同会社などの会社形態が対象となります。会社登記を行うことで、法人は法的な主体として認められ、会社法に基づく事業活動ができるようになります。

関連ページ:シェアオフィスで法人登記が可能?メリットや注意点を徹底解説

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法人登記の種類

株式会社

株式会社は、資本金を株式に分割し株主が出資して経営する法人形態を指します。一般的なビジネス企業や、大規模な企業によく見られます。特徴として、株主に対して責任を限定し、法人格を持ち、一定の手続きを経たのち法人登記が行われます。

合同会社

合同会社は、法人格を持つが会社法に基づく株式会社とは異なる法人形態です。具体的には、出資者が出資割合に応じて経営に参加し、出資者に対して責任が限定されます。合同会社は、中小企業や新興企業などでよく見られます。

有限会社

法人格を持ちながら、出資者に対して責任が限定される会社形態が有限会社です。株式会社とは異なり、出資者を株主ではなく、有限責任事業組合員と呼びます。有限会社は、中小企業や家族経営の会社などで利用されます。

医療法人

医療法人は、医師や歯科医師などの医療従事者が設立し、医療や健康福祉に関する事業を行う法人形態です。医療機関や介護施設などの運営を担当し、医療・福祉サービスの提供を行います。

農業法人

農業法人は、農業に関連する事業を行う法人形態です。農業法人は、農業生産や農業経営支援、農産物の加工・販売などの活動を行います。農業の効率化を促進し、農業経営の安定化を図ることが目的です。

NPO法人

 NPO法人は、営利を目的としない社会的な活動を行う非営利組織の法人形態です。NPO法人は、社会福祉、環境保護、文化活動などの分野で活動し、社会貢献や地域の発展に寄与します。

社会福祉法人

社会福祉法人は、社会福祉や福祉サービスの提供を目的として設立される法人形態です。 主に児童福祉施設や老人福祉施設、障害者支援施設などの運営を担当し、社会的弱者の支援や福祉の向上を図ります。

法人登記の前に必要な対応と手順

事前準備・会社の概要決め

法人登記を行う前に、設立メンバー間で事前に設立に関する事項を話し合い、合意形成をします。設立事項には、会社の名称や事業目的、資本金の額、役員の構成などが含まれます。現金出資による発起設立の場合は、発起人(会社設立にあたって資本金の出資・定款の作成など会社設立の手続きを行う人で、株式発行後はその会社の株主となる)を決めます。

会社印作成

法人登記に際しての書類作成と並行し、あわせて会社印の届出も必要です。株式会社の設立に求められるのは法人実印(代表印)のみですが、会社の運営上よく使われる銀行印や角印、ゴム印なども併せて作成しておくとスムーズに手続きが進められるでしょう。

定款作成と公証取得

続いて、定款を作成します。定款は「会社の憲法」に当たる重要なものです。冒頭の事前準備で定めた会社概要を記載しますが、その中でも必ず記載しなければならないと法律で決められている「絶対的記載事項」として以下5項目があります。

  • 発起人の氏名および住所
  • 社名
  • 事業目的
  • 所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

公証取得

定款を作成したら、公証役場に行きます。公証人から定款の記載内容に法令上の問題がないかチェックを受け、定款に間違いがないことを公的に証明してもらいましょう。

資本金の振込

現金出資による設立を例にすると、定款の認証後、発起人にて資本金の払込を行います。発起人は引き受けた株数に相当する金額を資本金(出資金)として銀行口座に振り込みますが、この段階では法人登記が済んでおらず会社の銀行口座を作れないため、資本金の振込先は発起人の個人口座になります。

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法人登記の作業内容と手順

登記申請書の作成

登記申請書の作成は、法人登記手続きにおいて非常に重要です。 登記申請書は、各地の法務局で指定されたフォーマットに従って作成する必要があります。法務局のウェブサイトや窓口で指定フォーマットを確認し、作成に使用します。

必要事項の記入: 登記申請書には、法人の基本情報や設立に関する情報が記載されます。これには、法人の名称、事業目的、代表者の氏名や住所、資本金額、役員の構成などが含まれます。指定されたフォーマットに従って、必要事項を正確に記入します。

定款の添付: 登記申請書には、定款の添付が必要とされる場合があります。定款は法人の設立に関する重要な文書であり、法人の基本方針や組織構造が記載されています。定款は、登記申請書と一緒に提出され、法務局によって審査されます。

署名と捺印: 登記申請書には、代表者や申請者の署名と印鑑が必要とされる場合があります。法人の代表者や申請者が登記申請書に署名します。また、証明を受けた印鑑が捺印されることで、申請書の正式性が確認されます。

法人登記を行う際は、登記申請書に加えて、一般的に以下の書類が必要とされるため準備しましょう。

  • 定款(謄本)
  • 登録免許税納付用台紙
  • 発起人決定書(発起人議事録)
  • 代表取締役の就任承諾書(取締役が1名のみで、その取締役が代表取締役と兼務する場合は不要)
  • 取締役の就任承諾書※
  • 監査役の就任承諾書(設置しない場合は不要)
  • 取締役の印鑑証明書※
  • 印鑑届書
  • 出資金の払込証明書
  • 登記すべき事項を記録・保存した別紙、記録媒体

※1人で起業(会社設立)する場合は、発起人兼取締役である自身の書類が必要。

法務局への提出と手数料の支払い

法人登記は、設立する法人の所在地を管轄する法務局で申請します。原則として、資本金の払込後、2週間以内の申請が必要です。書類に不備がなければ、法人登記の申請から1週間~10日程度で手続きが完了します。

法人登記の手続きに必要な書類

法人登記の手続きに必要な書類は、事業の形態や登記の内容によって異なります。一般的には以下の書類が必要となります。

  • 定款
  • 登記申請書
  • 代表者の戸籍謄本
  • 印鑑証明書
  • 会社の住所証明書

 

定款:法人の設立時に作成される、最も基本的な文書です。定款には、法人の名称、目的、資本金額、役員の構成、事業内容などが記載されます。法人の根幹をなす重要な書類であり、登記申請書と共に法務局に提出されます。 法人の設立や目的、役員の権限などが記載されますが、法人の事業内容や組織形態に応じて、内容が異なる場合があります。

登記申請書: 法人登記の申請を行う際に提出する申請書です。法人の基本情報や定款の内容、代表者の氏名や住所などが記入されます。法務局の指定フォーマットに従って記入する必要があります。

代表者の戸籍謄本: 代表者の戸籍謄本は、法人の代表者(取締役や代表社員など)の身分や住所などが記載された公的な証明書で、代表者の身元を証明するために用いられます。戸籍謄本には代表者の氏名、生年月日、住所などの個人情報が記載されており、登記申請者が法人を代表する能力を持っていることを確認するために必要です。

印鑑証明書: 法人の印鑑が正規に登録されていることを証明するための書類が印鑑証明書です。登記申請時には、法人の代表者が登記のために使用する印鑑の登録が必要です。印鑑証明書には印鑑の種類や登録日などの情報が記載されています。法人名や代表者の印鑑を登録する必要があります。

会社の住所証明書: 法人が事務所や本店を置く場所を証明する書類です。通常は賃貸契約書や不動産登記簿謄本などが使用されます。会社の住所証明書は、法人の事業所の所在地が正確に記載されていることを確認するために必要です。

上記の書類は、いずれも法人登記の手続きにおいて不可欠です。正確な書類の準備と提出が行われることで、スムーズな法人登記が可能となります。

関連ページ:登記簿謄本とは?取得方法や費用、見方などをくわしく解説!
関連ページ:登記事項証明書とは?必要な場面と取得の目的
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法人登記の3つの手続き方法

法人登記を申請する際は、主に3つの方法があります。具体的には「法務局窓口で直接提出する」・「郵送」・「オンライン」です。

法務局へ直接提出

管轄する法務局の窓口に出向き、法人登記の必要書類を直接提出します。法務局の窓口に出向くまでの時間や交通費がかかるものの、提出書類に不足がないか窓口でチェックしてもらえるため、登記申請に不安がある場合はおすすめです。

提出書類の内容に問題がなければ、申請から1週間~10日程度で法人登記の手続きが完了します。提出書類に不備があった場合は、法務局から連絡が入り、指摘された箇所を追記・訂正し、期限内に再提出しなければなりません。

郵送

管轄する法務局宛に必要書類を郵送し、法人登記の申請を行う方法です。郵送方法に決まりはありませんが、配達状況を追跡できる「簡易書留」や引受を記録する「特定記録郵便」などで送ると、法務局に届いたことを確認できるため安心です。法務局に行く時間がない方や遠方の方などは便利な方法といえます。

法人登記完了までの期間の目安は、法務局の窓口で直接申請するケースと同じく、1週間~10日程度です。提出書類に不備があれば、法務局に直接出向き再提出するか、郵送で追記・訂正します。

オフライン

オンラインの場合、法務局の登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと 供託ねっと 」へアクセスし手続きを行います。オンラインはご自身の好きな時間に自宅やシェアオフィスから申請できますが、事前にアプリのダウンロードや電子証明書の読み取りが必要となります。

提出書類に不備があった場合は、上述の「登記ねっと 供託ねっと」に通知が届き、オンライン上で追記・訂正し提出します。もしくは、補正書様式の書面を法務局へ直接再提出するか、郵送でも追記・訂正が可能です。

法人登記にかかる費用

法人登記を行う際は、登録免許税の支払いが必要です。登録免許税は、設立する法人の種類によって金額が異なるため注意が必要です。

  • 株式会社:資本金額×0.7%もしくは15万円のいずれか高い金額
  • 合同会社:資本金額×0.7%もしくは6万円のいずれか高い金額
  • 合名会社・合資会社・一般社団法人・一般財団法人:申請件数一件につき6万円

なお、法人登記以外にも、会社設立には以下のような費用がかかります。

  • 定款認証の手数料:5万円(他、謄本代で2,000円程度必要)
  • 定款の収入印紙代:4万円(電子定款の場合は不要)
  • 会社印の作成費用:セットで約5,000円程度〜約20万円程度(印鑑に用いる素材で異なる)

参考:e-Gov法令検索「登録免許税法 別表24」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=342AC0000000035

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法人登記の手続き後について

商業・法人登記が完了し、法務局から不備連絡がなければ設立は完了です。ただ、登記後は、他にも様々な手続きが求められます。

まずは、社会保険への加入手続きです。また、健康保険や厚生年金保険の新規適用届などの提出期限があるため、登記申請と同時に準備を進めましょう。さらに、税務署や都道府県事務所への法人設立届出書の提出も不可欠です。これらの提出期限は管轄機関によって異なるため、事前に確認したうえで準備する必要があります。さらに、法人口座の開設や法人名義のクレジットカードの作成も検討しておくと良いでしょう。

 

法人登記の変更が必要な場合

法人の組織や業務内容に変更が生じた際は、法人登記の変更が必要です。以下の変更に該当する際は、速やかに変更手続きを行いましょう。

組織変更: 役員の変更、定款の改定、事業所の移転など、法人の組織に関する変更が生じた場合。

名称変更: 法人の名称が変更される場合。

業務内容の変更: 法人の業務内容や事業目的に変更が生じた場合。

資本金の変更: 資本金の増減、出資者の変更など、資本構成に関する変更が生じた場合。

登記情報の修正: 登記情報に誤りがある場合や、法的な変更が必要な場合。

法人登記を行わないとどうなる?

法人登記を怠ると、法的な問題や経済的なリスクが生じる可能性があります。法人登記を行わないまま事業を行うと、個人や団体が法的責任を負うことになります。法人格がないため、事業の債務や紛争に関する責任が個人や団体全体に及ぶ可能性があります。また、企業としての信頼性に欠けたり税制面での優遇が受けられない他、資金調達にも制約が生じる場合もあります。法人登記を行うことで、法的な保護や税務上の優遇、信頼性の向上など、様々な利点を享受することができます。

法人登記に関するよくある質問

法人登記は誰でも取得可能ですか?

法人登記は、一定の条件を満たせば誰でも取得することが可能です。法人登記を行う際には、法人としての設立条件を満たす必要があります。一般的には、法人名、事業目的、役員の選任、資本金の設定などの条件を満たし、登記手続きを行うことで法人としての登録が可能となります。

法人登記を行うタイミングは?

法人登記を行うタイミングは、法人設立を計画している時点です。具体的なタイミングは、設立メンバーが合意し、事業を開始する前に行うことが一般的です。法人登記を行う際には、事前に法的な相談や準備を行い、登記手続きをスムーズに進めることが重要です。

法人登記完了までにかかる期間は?

法人登記完了までにかかる期間は、法務局の審査や手続きによって期間は異なりますが、数週間から数か月程度かかるのが一般的です。 手続きの状況や法務局の繁忙具合によって異なるため、事前に余裕を持った計画を立てましょう。

まとめ

法人登記は、法的な主体としての法人を設立するための重要な手続きです。

法人登記を行うことで、企業や団体は法的な保護を受けるだけでなく、税務上の優遇措置を活用し、信頼性や信用度を向上させることができます。また、経営上のリスクを分散させることもできます。さらに、取引先や金融機関との取引や資金調達の機会を拡大し、企業や団体の成長を支援する役割も果たしています。

・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています

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