Posted:2022.07.21|Updated:2023.04.05

新しいオフィスのあり方は、コミュニティ。DX支援サービスのFabeeeが語る、WeWork でしか実現できないこと

アスリートからITビジネスオーナーへ

挫折と失敗から学び、再び立ち上がる

「コミュニティ」で閉塞感を突破するメタバースと WeWork

WeWork で社員の笑顔が増えた

WeWork なら、スタートアップマインドを忘れない

企業のDX支援サービスを主軸に、メタバースという新たな技術開発にも果敢に取り組むFabeee株式会社。代表取締役CEOの佐々木 淳氏に、ご自身の来し方、WeWork へ入居した経緯、メタバースと WeWork の共通点とこれからについて、WeWork Japan 合同会社CEOのジョニー・ユーがお話を伺いました。

アスリートからITビジネスオーナーへ

── Fabeee株式会社の事業について教えてください。

佐々木 技術力と対話力に特化した「話せるエンジニア集団」として、企業の伴走型DX支援や技術開発、IT人材マッチング等の事業を展開しています。独自のメタバースのプラットフォームが構築できるパッケージも販売しています。

DX支援は競合が多い分野ですが、アジャイルで高速に回しているので他社よりもスピーディにアウトプットできるところが強みです。

また、対話力が売りなので、クライアント目線に立つことを徹底しています。アポイントメントをいただいたら、直接対面で話すために必ずクライアントのもとへ赴きます。オンライン会議ツールは便利ですが、本当に困っていることや希望をヒヤリングするには適していません。その点が大手のコンサルテーション企業と差別化できるところです。

── もともとITのバックグラウンドがあったのですか?

佐々木 私は根っからのスポーツ少年で、5歳からサッカーを始めて、毎日朝から晩までボールで遊んでいました。オランダのヨハン・クライフ選手に憧れ、13歳で東京ヴェルディのユースチームに入りました。

高校サッカーが盛り上がっていた時代だったので私自身も高校サッカーへ進み、全国大会にも出場しました。けれども、本大会の3日前に怪我をしてしまったことをきっかけに、サッカー人生が絶たれてしまったのです。

ジョニー アスリートからITビジネスへのキャリアチェンジは珍しいですね。

佐々木 祖母が複数のブティックを経営しており、自分もいつか社長になりたいという想いがずっとありました。大学時代は、経営コンサルティング会社を経営する知り合いの家に転がり込み、経営について学びました。自身のケイパビリティを確立するなら大きな商品を売れる人になればいいのではと考え、卒業後、不動産業界の営業職を得ました。「3年でトップになる」というゴールのもと100人中98番目だった成績から奮起し、2年10か月でトップ営業になりました。

その後、起業前にコンサルティング会社で経験を積みたいと考え、人材コンサルティング会社に入社し、チームワークで売り上げを出す人材業界で揉まれました。そこで、IT業界向けの人材紹介事業の立ち上げに携わったことが、自分とITとの最初の接点です。

挫折と失敗から学び、再び立ち上がる

佐々木 独立後は、アップロードした写真にタグ付けしてコミュニティを作ったり、フォトブックを作ったりできるコミュニケーションプラットフォームを生み出したいと思い、2010年に「フォトメ」を設立しました。国境を超えたサービスというコンセプトだったので、写真マーケットが伸びている中国に渡りましたが、トラブルがあり進出が頓挫してしまいました。若さも勢いもビジョンもありましたが資金がなく、今のように出資してもらえるような時代でもなかったので、フォトメのサービスは閉じることになりました。

ジョニー 自分自身を振り返っても、人間は失敗から学ぶことが多いものです。DXやメタバースへは、どのような経緯で参入することになったのですか?

佐々木 私は失敗の連続で、スポーツテックはじめさまざまなプロダクトを手がけては失敗してきました。しかし最も大きな転機は、日本におけるDX推進でした。

「オンラインとオフラインの境目をなくす」というビジョンを掲げて、CTOを中心にAI開発に力を入れました。教育機関等とアライアンスを組んでどんどん取り組むことで実績を積み、AIコンサルティングサービスも手がけることになったのです。大手コンサルティングファームがクライアントになり、新型コロナウイルス感染症の拡大で企業のDX化が進んだことも追い風になりました。

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「コミュニティ」で閉塞感を突破するメタバースと WeWork

佐々木 数年前に「メタバース」という概念を知り、自分の中で点と点が線につながったと感じました。Web3やNFTといった新しい技術があるけれど、その先にある経済、つまり仮想の経済と地上の経済をつなげるところを作っていかないと、オンラインとオフラインの境界をなくすということは実現できないのではないかと思ったのです。

実際にメタバースに参入しようと決めたのは、オンラインゲームに熱中する息子がインカムを着けて、画面でイベントに参加。チュートリアルを見てそれを共有する、とゲームの中で多くの人とコミュニケーションする姿を見て、15年後の子どもたちの未来を作りたいと考えたのが主なきっかけです。今、10歳の息子が25歳になったときに、彼のアバターが仮想空間のコミュニティの中で私のアバターと出会うかもしれません。そんな夢を見ています。

ジョニー 「コミュニティ」は WeWork でも重要なコンセプトで、まさにこれからの時代のオフィスのあり方だと思います。

佐々木 メタバースが形になっていくことは、コミュニティ作りとイコールですから、WeWork のコンセプトに深く共感を覚えます。自分が働く一つの会社の中だけで、毎日、決まったメンバーとだけ話す時代はもう終わりです。コミュニティに入って、さまざまな働き方に触れ、自分たちのアイデアを発展させていく。コミュニティとは、仕事を超えた友人が作れる場所であり、ビジネスチャンスであり、メンタリングしてもらえたり、楽しいイベントやおいしい食事があったり、みんなの熱狂を感じられる場所です。だからこそ社会の閉塞感を突破できるのかなと思い、WeWork への入居を決めました。最近は、SNSでも WeWork ユーザーと出会ったりするなど、WeWork というキーワードを通じて人の輪が広がっています。そういった効果も WeWork ならではかもしれませんね。

ジョニー WeWork はシェアリングエコノミーの一つ、空間シェアリングを実現しています。本来、コミュニティは自然にできていくものなので、銀座ならファッション、渋谷ならITと、人々が自然に自分が求めるネットワークを選んで集まってきます。ただ、忙しくて他の人との交流まで考えられないことも多い。そのような場合は、WeWork のコミュニティチームがサポートします。「こういう人と出会いたい」といったリクエストは、コミュニティチームの出番なので、ぜひ知らせてほしいですね。出会いというものは、一度楽しいと思うとやめられなくなりますよ。

WeWork で社員の笑顔が増えた

── WeWork で気に入っているところは?

佐々木 眺望が良いことと天井が高いことから来る開放感が好きですね。私自身は、社員に挨拶できるよう執務室の扉を開けたところにデスクを設けています。「受付社長」とも呼ばれています(笑)。みんなの顔が見えるようになって、一緒に飲みにいくことも増えました。

以前は賃貸オフィスでしたが、WeWork に移転してから出社率が上がったのが目に見えてわかります。また、社員同士の談笑風景を多く見るようになりました。ガラス張りで、おしゃべりしやすいよう内装が計算して作られていると感じます。

アクセスが良い点も、クライアントから喜ばれています。オールアクセスプランも使っていて、半蔵門にいるクライアントが相手なら半蔵門で会いましょう、という提案もできます。「ビールもありますよ」という言葉も、オフィスに来やすくなる良いきっかけですね。

ジョニー 光、窓、開放感に重きを置く WeWork のデザインフィロソフィーは、かなり厳しく統一されています。明るい場所だからこそクリエイティビティが刺激されるということはあるでしょうね。

佐々木 自分のシチュエーションによって仕事をする場所を変えられるのも、余計なストレスがかからなくて良いですね。共有スペースや集中するためのブース、スタンディングデスクやスツールなど、その時の用途や気分に合うスタイルを選べて飽きないのも魅力的です。さまざまなバリエーションの会議室があることも、来社したゲストに喜んでいただいています。

WeWork なら、スタートアップマインドを忘れない

佐々木 シンプルに「WeWork にいるってかっこいいよね」という感覚もありますが、ここにいると、スタートアップマインドを忘れてはいけないという思いから、身が引き締まります。

メタバースの波は2030年以降にやってくると考えており、その日までにきちんと資金を調達し勝負できるよう準備するのが、今、私たちが取り組んでいることです。

ジョニー DXが進んで今の世の中を完全にデジタル化すると、あらゆるプロセスがスピードアップするでしょうね。設計に3か月かかっていたところが2日に短縮されるようになれば、スペースの使い方も確実に変わると思います。WeWork もいずれ新しい技術を使って自由自在に壁を動かしたりドアを外せるようになったりするかもしれません。現実がバーチャルの世界とほとんど変わらなくなるでしょうね。

佐々木 仮想空間と現実は補完し合う関係になるでしょう。オフィスに行きたい人は行けばいいし、仮想空間で仕事をしても良い。どちらにもコミュニティがあって、どちらでもコミュニケーションができる世界がやってきます。

──今後、どのように WeWork を活用したいですか?

佐々木 採用の強化です。カードキーさえあれば WeWork の共有スペースにどこからでもアクセスできるのなら、今いる地域関係なく採用できます。実際、弊社の人事担当者は大阪在住です。地理的な問題や障がいの有無を超えて、多種多様な人材を世界中から採用できるという発想を WeWork が後押ししてくれました。ぜひこのメリットをフルに活用していきたいです。

ジョニー 10年、15年先の世の中について考える力から信念が生まれると思います。私たちの子どもたちが15年後にどんな世界で働き、コミュニケーションをしているか、楽しみですね。

* 本記事は2022年7月に実施したインタビューを元に作成しています。

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