
WeWork には、大企業やスタートアップ、自治体など、多様なメンバーが入居しており、メンバー間をつなぐコミュニティチームによるイベントやマッチング支援により、コラボレーションやイノベーションが生まれ続ける仕組みづくりを促進しています。
WeWork では、以下の6つの注目分野ごとプロジェクトを立ち上げ、イノベーション創出に注力しています。
①Smartcity (スマートシティ)
②Environment (環境)
③Mobility (交通)
④Entertainment & Leisure (エンタメ&レジャー)
⑤Helthcare (ヘルスケア)
⑥Local Goverment (自治体)

注力分野の一つ「スマートシティ」の最前線に触れ、共に高め合うコミュニティと出会う場を提供する「スマートシティプロジェクト」では、イベントの定期開催を行い、第一弾は3月17日、WeWork 赤坂グリーンクロスにて「パネルトーク〜CES 2025から見えてきた世界のテックトレンド〜」を開催しました。本イベントはその第二弾となります。
「ウェルビーイングと市民の幸福度を高めるまちづくり」をテーマに、シェアリングエコノミー、スマートシティの実装、健康・エンタメの各業界において、最前線で活躍されている企業や団体をゲストに迎え、それぞれのウェルビーイングの視点でのまちづくりを考えるパネルディスカッションを実施しました。
<イベント概要>
Innovation Cities パネルトーク vol.2 〜テクノロジーは幸せをつくれるか?ウェルビーイングの視点で考えるまちづくり〜
日時:4月23日(水) 18:30-20:30
場所:WeWork アイスバーグ
ゲスト登壇者:
・一般社団法人スマートシティ社会実装コンソーシアム 運営委員 土屋 俊博 氏
・共創型コミュニティeveriwaファウンダー / GeneRing 代表取締役 玉川 篤史 氏
・株式会社ディー・エヌ・エー スポーツ・スマートシティ事業本部 横浜拠点開発室 旧市庁舎街区開発グループ グループマネジャー 多田 徹 氏
まずは、登壇企業・団体の取り組みやまちづくりの事例を紹介いただきました。
一般社団法人スマートシティ社会実装コンソーシアムは、「スマートシティの社会実装を加速するエコシステムの構築に向けて」というビジョンを掲げ、以下の取り組みを行っています。
・スマートシティに関わるテーマ別の分科会
・データ連携基盤を活用したサービス開発に関する勉強会
・サービスカタログ・マーケットプレイスを通じたサービスの掲載・閲覧
・サービス開発環境の提供、開発者コミュニティの運営 等
あらゆる業種・地域の垣根を越えた官民連携のエコシステム形成、日本が目指す新しい地方経済・生活環境の実現も見据え、スマートシティの社会実装と、持続可能な仕組みづくりを目指しています。
エブリワは、電気自動車(EV)の充電インフラのシェアリングサービス「everiwa Charer Share (エブリワ チャージャー シェア)」をはじめ、社会課題の解決に向けて、企業・自治体・団体などの既存の枠組みを越えた新規事業の共創を推進しています。解決したい社会課題はあれど、一社だけでは動き出せない、事業化できない、そんな悩みを持つ企業が集い、様々なフィールドでの事業展開を想定しています。
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)からは、ゲーム事業で培ったノウハウやテクノロジーを用いて他エリアと連携することで体験価値を高める 横浜関内におけるまちづくりの取り組み を紹介いただきました。
ヘルスケア、メディカル事業等、幅広い事業領域においてテクノロジーを活用し、余暇時間を増やし健康寿命の延伸させるところからスマートシティを考えてきたDeNA。横浜スタジアムを起点として、横浜市旧市庁舎街区活用事業としてJR関内駅前に建設中の「BASEGATE横浜関内」や大通り公園等の場づくりにも参画しています。「BASEGATE横浜関内」では、日本最大級の常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE」(運営:横浜DeNAベイスターズ)や遊びとテクノロジーを融合させたエデュテインメント施設「Wonderia」(運営:DeNA)といったコンテンツづくりを推進し、エンターテインメントの体験価値を最大化させたウェルビーイングなスマートシティを実現しています。
続いて以下の2つのテーマによるパネルトークがスタートしました。
・テーマ1
スマートシティの活動が市民の幸福度(ウェルビーイング)をどのように向上させると思いますか?
・テーマ2
スマートシティやまちづくりには、どのようなステークホルダー(団体・企業・自治体・個人)が関与し、どのように関わるのでしょうか?

パネルトーク後の交流会の様子
テーマ1では、各登壇者が市民・デベロッパー・エンターテインメントという3つの視点にわかれ、スマートシティの取り組みが市民の幸福度(ウェルビーイング)をどう高めるかを語りました。
玉川氏(市民の視点)
「シンプルに、市民起点のアプローチによるスマートシティへの取り組みであれば、市民の幸福度は自然と高まるでしょう。開発者やデベロッパーのエゴではなく、市民の声を丁寧に拾うことが大切ですね」
土屋氏(デベロッパー視点)
「 スマートシティは『技術導入』だけでは叶いません。先ほどの玉川氏と同様、人々の主観的な幸福(ウェルビーイング)を叶えることが求められると思います。しかし幸福の感じ方は人によって異なるため、万人の幸福度を高めるのは難しいでしょう。そこで、データを基盤にした設計や、地域性に応じた最適解を探していくことが必要になると考えます。データは定性的な要素も多く、分析の余地はありますが、まずは主観的な幸福をどう捉えるかが鍵だと思っています。」
多田氏(エンターテインメント視点)
「幸福(ウェルビーイング)には『肉体的・精神的・社会的』な要素があり、エンターテインメントやテクノロジーを通じてそれらにアプローチできると考えます。例えば、スポーツイベントで肉体的健康を、エンターテインメントで精神的充足を図るなどです。 DeNAは、横浜以外でも川崎などでスポーツを軸とした賑わいのあるまちづくりを展開しています。スマートシティを推進する「人の熱量」が市民の幸福を左右するということもありそうです」
テーマ2では、スマートシティ・まちづくりのステークホルダーとの関わり方について話されました。
玉川氏
「古くからその地域に住んだり、商いをする地域に根ざした方々がステークホルダーになることが多いです。まちづくりは社会性と収益性のバランスが難しく、ステークホルダーとされる方々にとって搾取がない取り組みであることが前提となるでしょう」
土屋氏
「多様な関係者の間を調整する『アーキテクト(設計者)』の存在が不可欠だと考えます。大学や研究機関との連携や、若い世代との関わりも重視していくことが大切ではないでしょうか」
多田氏
「ステークホルダーはやはり住民の方々ではないでしょうか。都心での再開発経験を経て、現在は横浜で住民と協働するまちづくりに注力しています。『地域の想いに沿う形』を目指しています」
最後に、幸福度(ウェルビーイング)の高いスマートシティの実現には、 スマートシティ=脱炭素や便利なまちというだけではなく、ひとりひとりの市民の幸福を犠牲にしない、調和のとれた合意形成による都市設計が大切となる。しかし、市民が 100人いれば100通りの意見がある。妥協点を探る上で、市民との対話や意思共有を支える手段こそがテクノロジーなのではないかということでパネルトークは終了しました。
WeWork Japanは今後も、Innovation Cities プロジェクトを推進し、スマートシティの最前線に触れ、共に高め合うコミュニティと出会う場を提供するイベントの定期開催を予定しています。次回は、6月6日、WeWork アイスバーグで、「Innovation Cities パネルトーク vol.3 未来のまち、ちょっとのぞいてみはる? けいはんなから考える スマートな暮らし」を予定しています。 詳細はこちら
