
北海道発祥のナシオは、全国で菓子の卸売りを展開している創業100年超の老舗企業ですが、従業員の平均年齢は32歳と食品業界では若く、いまではプライベートブランドの展開や海外との輸出入にも取り組む成長企業です。
同社は全国に複数の支店を構えていますが、かつてある支店で離職率が高い状況に直面していました。その解決を図るための一手として、WeWorkの活用を開始。その結果、離職率は半減し、採用にも良い影響がありました。
この効果を受け、現在では全国の支店のほとんどでWeWorkを利用しています。WeWorkの環境が、従業員や入社志望者にどのような影響を与えているのでしょうか。
■入居のきっかけ
・名古屋支店で離職率が高い状況が発生。原因を調査した結果、閉鎖的な空間が影響していることが判明。開放的で交流しやすい環境の必要性を感じた。
・平社長が得意先のオフィス開設パーティーで体験したWeWorkの「交流を促す空間」に可能性を感じ、シェアオフィスを検討。・複数のシェアオフィスを内覧した結果、空間デザインやイノベーションを誘発する仕組みが優れているWeWorkを選択。離職率・採用率に効果が出たことで、他の支店(東京、仙台、名古屋、大阪、福岡)でも利用を拡大。
■WeWork 入居後に生まれた効果
・離職率が全社で入居前の16%から9%へと改善。従業員同士の交流が活性化し、職場の雰囲気が改善した。
・入社志望者から「こんなきれいなオフィスで働けるんですか」と好評を得て、採用活動が円滑に進行している。
・開放的な環境が自由な発言や発想を促進し、従業員のアイデアが新商品企画につながるなど、職場の創造性が向上した。
生活者にフィットした感覚で、菓子売り場の未来を提案するナシオ
―事業内容について教えてください。
ナシオ 平氏(以下、平):当社は、菓子メーカーから商品を仕入れ、スーパーマーケットなど小売店に販売する卸売を行っています。一方、関連会社では無添加や純国産などにこだわったお菓子を製造し、プライベートブランド「ノースカラーズ」として販売しています。また、海外向けに食品などの輸出入も行う企業も擁しており、幅広く事業を展開しています。
株式会社ナシオ 代表取締役社長 平 元彦氏
―ナシオは100年を超える老舗企業でありながら、私たちが一般的にイメージするお菓子の卸売事業とは異なり、イノベーティブなチャレンジをしていらっしゃいます。
平:私たちナシオは、菓子売場の未来をお客さまに代わって提案する代理店だと考えています。そのため、エンドユーザーとなる一般の生活者の心理を理解する「同時代感」を持ち、柔軟に発想する力を大切にしています。その表れが、およそ32歳という当社の従業員の平均年齢にあります。
菓子は、若い世代が主要なターゲットであり、トレンドに敏感に反応してブームをつくっていくのもこの世代です。こうしたお客さまの心理に近い感覚で提案し、商品として店頭に送り出せることが、ナシオの成長の源泉になっていると考えています。
WeWork利用のきっかけは離職対策。職場の雰囲気が大きく変化し離職率は半減
―積極的に事業を拡大している中で、複数の事業所でWeWorkを利用しています。現在の利用状況と利用のきっかけをお聞かせください。
平:当社は創業の地である北海道に本社(札幌市)を置きつつ、首都圏本部(東京都)、東北支店(仙台市)、中部東海支店(名古屋市)、関西支店(大阪市)、中四国支店(広島市)、九州支店(福岡市)の各事業所で、全国のお客さまに対応しています。その中で、本社のある北海道とWeWorkがない広島を除いた支店でWeWorkを利用しています。現在、全従業員数313人(2025年11月現在)のうち、半数以上にあたる195席をWeWorkに置いています。
私が初めてWeWorkを知ったのは、得意先の部署がWeWorkに移転し、そこでのオフィス開設パーティーに参加したときです。WeWorkが日本に上陸して間もない頃で、シェアオフィスという概念がまだ目新しい時期でした。正直に、「なんてすごいんだ」と驚いたのを覚えています。
ただ、この時は「こういうオフィスはIT企業などが使うもので、形のある商品を扱う企業には適さないだろう」という思いがありました。それが変化したのは、名古屋支店で離職率が高い傾向が見られた時です。
原因を調べた結果、物理的にも心理的にも閉鎖的な空間が影響していることが考えられ、オフィスの立地や採光などを見直すことで職場の雰囲気が変わり、改善が見込めるのではないかと思い至りました。その時、かつて体験したWeWorkのことを思い出し、WeWork グローバルゲート名古屋を内覧しました。その折、他のシェアオフィスなども複数検討しましたが、人の交流や発想を促す空間デザイン、イノベーションを誘発する仕組みなど、WeWorkに優るところはありませんでした。あえて言うなら、WeWorkは従来のオフィスっぽさがなく、その可能性に賭けてみることにしました。
―当時、名古屋の支店は何名ぐらいの人員だったのでしょうか。
山川氏(以下、山川):5名ほどの拠点でした。利用は2023年からですが、前後して入居を検討していた関西支社の方が先にWeWork 御堂筋フロンティアの利用を開始しました。翌2024年初頭には、首都圏本部もWeWork 日比谷 FORT TOWERに入居しました。利用の目的はそれぞれに異なり、東京は事業拡大に伴う人員増強が大きな理由です(福岡はWeWork ゲイツ福岡、仙台はWeWork JR 仙台イーストゲートビルを利用)。
―その後、名古屋の中部東海支店の離職率には変化があったのでしょうか。
平:WeWorkに移転した後、当社の従業員がラウンジ(共用スペース)などで楽しく話している姿を見て、体感的に改善は感じていました。実際、当初16%程度だった離職率が、WeWork入居後の現在は8%ほどに落ち着き、数字にも効果が表れています。
「こんなきれいなオフィスで働けるんですか」。面接に訪れた志望者の声に採用面の効果を実感
―当初は離職率の改善が目的だったわけですが、現在は採用の面でもWeWorkの価値を感じていると伺っています。
平:好立地かつハイグレードなビルにあり、デザイン性の高いオフィス空間、自社のクローズドな空間だけでなくオープンな空間も備えています。こうした環境は入社志望者に好印象を与え、採用活動を円滑に進める大きな後押しとなっています。
山川:私は人事を担当しており、中途採用や新卒の方々と面接で顔を合わせる機会があります。その時、多くの方から「こんなきれいなオフィスで働けるんですか」という声を聞きます。WeWorkの採用に対する効果は、とても大きいと実感しています。
また、一般のオフィスであれば、最初から増員を見据えて大きなスペースを用意するか、増員後の移転を念頭に採用する必要があります。しかし、WeWorkはスペースの増減がフレキシブルに行えるのが特徴で、増員に合わせて柔軟にスペースを拡張できます。
実際に、東京は複数回スペースを増やして現在では100席を超えていますし、大阪も増床してスペースを拡張しました。名古屋の席数も増えています。こうした契約の柔軟性は従来の賃貸オフィスでは考えられませんでしたし、この規模のスペースを専有できるシェアオフィスも、他にはないと思います。
平:おかげさまで、多くの応募をいただくようになりました。今、人材に対して改めて思うのは、人として誠実であることなどは社会人として当然ですが、当社ではできるだけ1人1人に裁量権を与え、それぞれが「商人」として自走できる存在であってほしいと考えています。新しいことにチャレンジできるカルチャーを大切にして、そうした素養を持った人が自由に動けるように環境を整えたいと思います。
日々の業務や出張など、さまざまな局面で感じるWeWorkの働きやすさ
―WeWorkの利用を始めて、従業員のみなさんからはどのような声が聞こえていますでしょうか。
平:本社や東京の営業スタッフからは、支店で進めてきた案件について、現地に出張してお客さまと詰めの打ち合わせを行う際、WeWorkを起点に行動できる点が便利だという声を聞いています。また、スキマ時間も有効活用できるため、効率よく働けるとのことです。メンバーであればどこのWeWorkに行っても入館や複合機、Wi-Fiなどが共通でストレスなく利用できる点も魅力の一つです。
私の経験でも、当社の拠点がないエリアでお客さまと商談をする際、近くのWeWorkの会議室を利用したことがあります。こうした利便性に加えて、従業員が使用するメンバーシップカードのデザインがかっこいいというのも、従業員にとってWeWorkを利用することの見逃せない魅力になっているようです。
コーヒーやカフェラテ、お茶などを自由に楽しめるパントリーコーナーは、自然なコミュニケーションを生む大切な場となっている
山川:総務の目線から見てもメリットがあります。これまでのオフィスでは、飲み物を自分で用意する必要がありましたが、WeWorkではお客さまにお出しするものも含めてコーヒーやカフェラテ、お茶などがラウンジで自由に楽しめます。こうしたサービスは会社にとって福利厚生の一部ともいえます。また、コピー用紙やトナーの補充・発注、ごみの処理など、従来総務が担っていた業務をWeWorkが代行してくれるので、大きな業務効率化が実現しています。
WeWorkで行われる大小さまざまなイベントも、従業員にとってプラスの効果があります。例えば、昨日は抹茶ラテを味わうちょっとしたイベントがあり、当社の従業員も参加して楽しんでいる様子が見られました。こうしたイベントを自社で用意するのは大変ですが、仕事の息抜きや刺激になる体験が提供されることは、従業員にとって非常に価値あるものだと感じています。
平:経営者として実感するのは、従業員の安全を確保する防災訓練やオフィスの環境測定など、一定規模以上のオフィスに課されている義務を、WeWorkがサポートしてくれる点です。おかげで負担が軽減されています。
また、WeWorkの利用でトイレの大切さに気づかされました。WeWorkが入っているオフィスビルは、どこも新しくて清掃などの管理が行き届いています。ある女性従業員から「トイレがきれいでうれしい」という声を耳にした時は、そうした何気ないことが職場環境の満足度、ひいては当社で働くモチベーションにつながっていると痛感しました。
これらを総合的に考えると、総務に関する業務1人分の人件費程度は軽減できているのではないかと思います。また、女性が多い当社にとって注目しているのは、休憩に使える部屋(ペアレンツルーム/ウェルネスルーム)があることです。妊娠などで気分がすぐれないときやちょっと休みたいとき、こうした設備があると思うだけで心理的安全性が保てます。
山川:実際に従業員から相談を受けて、ペアレンツルーム/ウェルネスルームの活用について紹介し、社員が利用したことがあります。施錠できるので、その面でも安心です。
従業員のふとした一言が新製品に
―ナシオの人材とWeWorkのシナジーを感じられたことはありますか。
平:つい最近、人気インフルエンサーがプロデュースしたグミを自社ブランドの「ノースカラーズ」で発売しました。これは、新規の取引先への魅力ある提案をWeWorkでディスカッションしているとき、現場の従業員のふとした一言で始まったプロジェクトです。その若手従業員から、「人気のインフルエンサーのプロデュースのお菓子ができたらいいよね」という発言がありました。その後、私がラウンジで何気なくそのことを口にしたところ、その場にいた方から「そのインフルエンサーの方なら知っているのでご紹介できます!」という思わぬ返答があり、実現につながりました。
この体験を通じて、WeWorkの持つ開放感のある環境が発言しやすい雰囲気を生みだしたり、自由な発想を促したりするのだと感じています。こういった事例をもっと増やしていけたらと思います。
山川:私も、さまざまな業界の方々が交わるWeWorkの特徴を実感した経験があります。コミュニティチームから認定NPO法人全国こども食堂支援センター「むすびえ」さんを紹介していただき、そのご縁から当社のお菓子を子ども食堂で有効活用いただくことになりました。この取り組みは現在も継続しており、むすびえさんのホームページでも紹介していただきました。当社の新卒採用の会社説明会でも、この活動を伝えています。会社の規模が大きくなるにつれ、社会貢献活動(CSR)にも取り組みたいと考えていましたので、この機会は非常にありがたいものでした。WeWorkには、新しい出会いやきっかけを創出する力があると感じています。
平:WeWorkはこれまでのオフィスとは大きく異なる環境ですから、社内外にハレーションもあるのではと思っていましたが、先頭に立って頑張る従業員さんたちを大事にしていると好評をいただくことが大半です。
WeWorkの利用は、採用面での効果、従業員の満足度、バックオフィス業務の効率化など、会社の今後の成長を支える価値のある選択だと考えています。
「コミュニティチームに、取り扱いのお菓子を渡して、WeWorkの入居企業さんにも食べてもらっています」(山川氏)<br />
コミュニティチームは、ただ配るのではなく、コミュニケーションの機会になるように工夫を凝らしています。
お菓子を受け取った入居企業からのお礼や感想のメッセージが寄せられる仕組みづくりも。<br />
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