東急株式会社 デジタルプラットフォーム URBAN HACKS VPoE 宮澤秀右 氏

公開日:2024.04.02|更新日:2024.04.02

東急が挑む「まちづくりのDX」 WeWork を生かし、2年半でチームを10倍に拡大

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導入事例

東急グループのDXを目指し採用にも WeWork を活用

拡張を続ける組織にとって、 WeWork のフレキシビリティが強みに

今後は WeWork のコミュニティも活用

220社*を数える東急グループは、交通事業、不動産事業、生活サービス事業をはじめ多様な事業を展開しています。同グループでは、「URBAN HACKS」(アーバンハックス)というDXのための組織を立ち上げ、グループの顧客を横断的に可視化できるデジタル基盤を構築、エンドコンシューマーが使える共通のサービスやプロダクト、アプリを内製開発しています。2021年に WeWork 渋谷スクランブルスクエアに入居し、人員の増加に合わせてオフィススペースを拡張しています。WeWork をどのように活用されているのか、VPoEの宮澤秀右氏に伺いました。

*2023年9月末現在。東急株式会社連結、東急不動産HD連結、東急建設連結、世紀東急工業連結の会社数を合算。

■ 課題

・生活様式が急速にデジタル化していく中で、東急グループ各社が提供しているサービスを、お客様ごとのライフスタイルに合わせ、より便利な体験価値として提供することが急務に
・事業戦略からプロダクトまでの一貫した「内製開発」を目指すため、優秀なデジタル人材の継続的な採用が必要に
・プロジェクトの進捗に合わせて順次採用を行っており、人員の増加に合わせた契約の柔軟性・拡張性の高いワークスペースが必須だった

■ WeWork を選んだ理由

・内製かつリーン型のソフトウエア開発でDXに挑むため、臨機応変にスペースを調整できるフレキシビリティのあるワークスペースを求めていた
・「開発力」に直結する採用を強化するため、オフィスとして優れた立地や充実した設備がある場所を求めていた
・プロジェクト進行のため、各社のIT活用状況を把握する必要があり、多くの東急グループ企業のオフィスがある渋谷が好都合だった

東急グループのDXを目指し採用にも WeWork を活用

―最初にURBAN HACKSという組織の概要を教えていただけますか。

宮澤:URBAN HACKSは、東急株式会社を中核企業とする東急グループにおけるDX内製化を推進する組織で、2021年の7月に誕生しました。具体的には、鉄道をはじめとした交通事業、不動産、小売、ホテル・リゾートなど幅広い領域で事業を行うグループ各社に対して、お客様が使える共通のサービスやプロダクト、アプリを開発しています。私はその中で、VPoE(エンジニアリング組織の統括)をしています。

東急株式会社 デジタルプラットフォーム URBAN HACKS VPoE 宮澤秀右 氏

東急株式会社 デジタルプラットフォーム URBAN HACKS VPoE 宮澤秀右 氏

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―社外のリソースを使ってDXを進める企業も多い中、なぜ内製を重視しているのでしょうか。

宮澤:コロナ禍を経て、生活者の意識や行動は大きく変化しました。例えば巣ごもり需要によってECの利用が激増し、消費行動のデジタル化が一気に進みました。これからも、こうした潮流は進展していくと予想されますが、ニーズに適したサービスを提供するためには、顧客体験のいっそうのDXが欠かせません。そのとき、多様な事業を展開する当社グループにおいて、デジタル領域を外部リソースに依存していては、競争力の面でリスクにつながると考え、内製化できる体制を整えることになりました。

―東急グループにおいて顧客体験のDXとは、どのようなイメージになるのでしょうか。

宮澤:東急グループは、沿線を中心に多くの顧客接点を持っていますが、これをグループ企業横断で、どのサービスを、だれが、いつ、どこで、どのように利用していただいたとしても一元的に把握し、グループのシナジーを生かした付加価値の提供につなげられること。これをデジタルの力で実現するのが、私たちの考える顧客体験のDXです。

例えば1人のお客様が、電車に乗って映画を見に行った後、電車で最寄り駅まで戻り、スーパーで買い物をして帰宅したという一連の行動が把握できれば、電車に乗っている間にいつも利用するスーパーのクーポンをアプリ経由でお届けすることなどが可能になります。東急グループは、これまでお客様とのリアルな接点で培ってきたリレーションシップがあり、顔が見えるサービスを提供してきました。この関係性をデジタルでも実現できたら、これからも東急のブランド力向上につなげられると考えています。

―今後、内製化がますます本格化していくと、デジタル人材のいっそうの充実が課題になります。

宮澤:まさにその通りです。私たちにとって「採用力」は、「開発力」そのものだと認識しています。DXを目指すと決めてKPIを設定し、達成のためにスピード重視で外部リソースへの依存が高い例を見かけますが、DXは一度取り組んだら終わりではなく持続的な活動ですから、外部リソースに頼りきってしまうと、やがて無理が生じます。

そのため私たちは、経営陣の理解を得ながら、あえて内製でリーン型のソフトウエア開発(最小の資源で最大の成果を目指す開発手法)を採用し、人材リソースの適切なマネジメントで持続的に開発を進めていくことにしました。現在URBAN HACKSの人員は70人ほどですが、要員計画とプロジェクトの進捗をうまくシンクロさせながら進めています。

ただ、採用面での課題もあります。「東急」に対するブランド認知は高いものがありますが、ITとは結びついていないのが現状です。そのため「東急がDX人材を募集しています」といっても、IT人材が受けるインパクトは限定的でしょう。そこで、「東急」とは全く異なるイメージを打ち出すなど尖ったブランディングで、望む人材にアピールしようと考えました。 WeWork の利用は、採用ブランディングの一環でもあります。

― その結果は、出ていますでしょうか。

宮澤:要因は複合的ですが、応募数はURBAN HACKS設立当初から一定数を確保できており、2年半で約10倍の人数規模まで拡大できています。また、メンバーの約2割が女性であることから、ダイバーシティに資する採用も実現できていると言えるかもしれません。

―採用面接で、 WeWork の貴社オフィスを訪問した志望者の反応はいかがですか。

宮澤: WeWork 渋谷スクランブルスクエアにオフィスを置いている効果は出ていると思います。働く人のオフィス環境に対する意識は、どちらかというと「減点法」だと認識しています。例えば、「勤務地は渋谷」といっても、駅から距離があり設備も整っていないビルにオフィスがあるとなると、イメージが違ってきます(減点対象となる)。

面接は最後までオンラインという場合もありますが、志望者の意向により、オフィス( WeWork )で面接を行っています。実際にオフィスを見て確かめたいという志望者は熱量が高い場合も多く、オフィスの質は採用に大きく影響すると感じます。

また、入社後のスタッフから「 WeWork で働きたかった」という声や「渋谷で働きたかった」という声があり、改めてこの場所にしてよかったと思っています。当社が今後も採用に力を入れていく上で、 WeWork 渋谷スクランブルスクエアの魅力は、存分に活用していきたいと思っています。

拡張を続ける組織にとって、 WeWork のフレキシビリティが強みに

―現在、WeWork 渋谷スクランブルスクエア に65席の個室スペースを利用されています。そこに至るまでの経緯を教えてください。

宮澤:URBAN HACKS設立のニュースリリースを直前に控えた2021年6月に利用を始めました。最初は4席のスペースからスタートし、その後6席のスペースへ移りました。一時9席のスペースも併用し、40席ほどのスペースへ移転。現在はさらに拡張して、65席のスペースを利用しています。組織の総勢は65人を超えていますが、リモートワークも組み合わせて、デスクが不足しないよう運用しています。また、ここまでずっと WeWork 渋谷スクランブルスクエア内の移転で対応してきましたので、引っ越しの手間も最小限に抑えることができました。

―渋谷の拠点を選択された理由は何でしょうか。

宮澤:グループ各社のITの活用状況などをリサーチしたり、プロジェクトを協業したりする上で、実際にそれぞれの会社に出向く機会もあります。多くのグループ企業のオフィスが渋谷にあるため、私たちにとって渋谷は都合のよい立地といえます。

―賃貸オフィスを借りるなど他の選択肢もあったと思いますが、 WeWork を選んだ理由をお聞かせください。

宮澤:オフィスを決める際に、成長スピードに伴う人員の増加が読めないという懸念がありました。もちろんある程度予測は立てていますが、上振れする可能性もあります。これまでも基本的に要員計画をベースにしながらスペースを拡張してきたわけですが、これが賃貸オフィスだったら、そのたびに入退去の手間や時間、コストが必要となります。もちろんその都度ITインフラも構築し直さなければなりません。

その点、 WeWork の契約の柔軟性は大きなメリットになりました。また、 WeWork 渋谷スクランブルスクエアは、渋谷駅直結という優れた立地で、それも大きな魅力です。渋谷駅近くで現在の規模・環境のオフィスを賃貸で探すのは難しいのではないでしょうか。

今後は WeWork のコミュニティも活用

― WeWork では、さまざまなイベントなどの機会を通じて、他の入居企業との接点が用意されています。その辺りも活用されていますか。

宮澤:メンバーは、個人的に興味のあるイベントに参加しているようです。採用戦略の面から、自分たちで主体的に関わっていきたいと思っていますが、現在はそこまで至っていない状況です。ただ、自社で主催しなくても、他社と合同でイベントを開催する可能性もあります。そうした機会を通じて、私たちが掲げている「街づくりのDX」を前面に打ち出していきたいと思います。

―最後に、貴社で働きたいと考える方にメッセージをお願いします。

宮澤:繰り返しになりますが、私たちは東急グループで「街づくりのDX」に挑む組織です。この領域で、ともにチャレンジしてくれる仲間を求めています。DXは、単一事業の企業においても大きな取り組みですが、多様な事業を持つ東急のような企業のDXは、より大きなやりがいのあるプロジェクトといえます。リアルな顧客との接点が得られるなど、普段は関わることのない業種・業態に関与できることも魅力だと思います。こうした体験をポジティブに捉える方と、ぜひ渋谷で、 WeWork で一緒に働きたいと願っています。

WeWork 渋谷スクランブルスクエア 専用オフィススペースにて

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