更新日:2024.01.09

CO2排出量見える化ツールで急成長するアスエネ。スタートアップ企業がフレキシブルオフィスを選ぶ合理的な理由

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導入事例

急成長のアスエネが求める、フレキシブルなオフィスとは

移転に要した時間は3時間。「移転の容易さ」は魅力

頻繁に行う自社の採用イベントが、自社スペース内で完結

WeWork KDX 虎ノ門1丁目 に入居したアスエネ株式会社は、「次世代によりよい世界を」をミッションに、クライメートテックで気候変動問題に取り組むスタートアップ企業です。上場企業や自治体を中心に、CO2排出量の見える化・削減・報告のためのSaaSと包括的なコンサルティングを一気通貫で提供し、企業のカーボンニュートラルへの取り組みを支援しています。成長著しい同社はなぜ WeWork を選択し、どのように活用しているのでしょうか。その背景や目的、活用方法などについて、同社の執行役員CFAOの衛藤和也氏と、コーポレート本部㏚リーダーの伊集理予氏に伺いました。

■ 課題

  • 事業が成長し人員が急速に増える一方で、オフィススペースが部署ごとに分かれるなどコミュニケーションと一体感に課題を感じていた
  • 内装工事や家具などの初期費用を最小限に抑え、事業のスピード感を損なわずに、将来の拡張性も確保したうえで移転したかった
  • 人材の確保が大きなテーマとなるなかで、採用イベントのためのスペース確保に手間がかかっていた

■ WeWork を選んだ理由

  • 大きなスペースを1社単独で使えるワンフロア占有で WeWork を契約。社員同士のコミュニケーションも増えた
  • 必要な家具や通信環境が揃い、フレキシビリティも高い WeWork にスピーディーに移転。本格的な検討開始の翌月から利用を開始できた
  • 自社だけで利用できるラウンジスペースの活用で、採用イベントの開催が容易に。そのままオフィスツアーも実施できて、参加者の反応も良好

 

急成長のアスエネが求める、フレキシブルなオフィスとは

──ビジネスの内容について、事業背景となっている社会情勢などを含めてお聞かせください。

衛藤:CO2排出量が世界5位の日本は、2020年に当時の菅政権が「カーボンニュートラル宣言」をしたのを機に、大きな変化が起こりました。宣言に連動した具体的な動きはいろいろありますが、なかでも金融庁による内閣府令の改正で、気候変動に関するリスク評価と管理および情報の開示を企業に呼びかけたことは、多大なインパクトを与えています。そうした環境下にあって、2019年10月に創業した当社アスエネ株式会社は、テクノロジーで気候変動の解決策を提供するクライメートテック企業として、カーボンニュートラル推進に貢献できればと考え、事業活動をしています。

衛藤:私たちが提供するプロダクトは3つです。まず、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスエネ」を、企業向けにサブスクリプション型のSaaSとして提供しています。そして、「アスエネESG」では、持続的なサプライチェーン調達のためのESG評価クラウドサービスを行っています。3つ目は、「Carbon EX」です。これは、ネットゼロに向けたカーボンクレジット・排出権取引所です。

現在、CO2排出量見える化サービスにおいて、累計導入社数は4,000社を越え、国内ナンバー1*となっています。

*東京商工リサーチ調べ(2023年7月時点)

──具体的には、どのようなサポートをしているのでしょうか。

衛藤:例えばエネルギーミックスの観点から日本の電源構成を見ると、現状では火力発電が最も多く占めています。そのため、企業が使う電気におけるCO2の排出量も必然的に多くなるわけですが、風力や太陽光などといった再生可能エネルギーによって生み出された電力を組み込んだり、製造業であればサプライヤーの協力を得て、カーボンニュートラルな電力を使って製造された部材を調達して製品を仕上げたりすることで、自社の企業活動におけるCO2排出量をトータルで削減できます。

当社は、企業のこれらの過程において、テクノロジーによるCO2排出量の見える化の実現だけでなく、削減・イニシアチブへの開示に向けたコンサルティングも一気通貫で提供できる点に強みがあると自負しています。

移転に要した時間は3時間。「移転の容易さ」は魅力

──2023年10月1日から WeWork KDX 虎ノ門1丁目に入居されました。どのような経緯だったのでしょうか。

衛藤:事業成長を続け、これまでのオフィスが手狭になっていました。現在、約200人(業務委託、インターン含む)のメンバーが在籍していますが、以前はまとまった執務スペースが確保できていませんでした。一体感が感じられ、部署間のコミュニケーションも促進できる空間が望ましいと考え、移転を検討し始めました。同時に、さらなる事業拡大も踏まえると、契約期間などの制約の多い賃貸オフィスではなく、拡張性や利便性の高いオフィスが必要であり、移転先はそうしたフレキシビリティの高いコワーキングスペースを中心に探すことになりました。

そんな折、当社の代表取締役 CEOである西和田(西和田浩平氏)のもとに、 WeWork KDX 虎ノ門1丁目に妥当なスペースがワンフロア専有の形で空いているとの情報が入り、9月に本格的な検討を進めて10月に入居となりました。前のオフィスが近隣であったため引っ越しも容易で、事業のスピード感を損なうことなく移転できました。

伊集:通常、オフィス移転となるとかなり日数を要するものですが、わずか3時間で終わりました(笑)。

コーポレート本部㏚リーダー 伊集理予氏

3分でわかる WeWork

3分でわかる WeWork

WeWork を知らない人はまずこちらを

衛藤: WeWork は内装工事の必要がなく、スピーディーに移転先でビジネスを再開できることに、大きなメリットがあります。一般的な賃貸オフィスでは、内装工事や通信環境の契約・整備、什器購入などにかかるイニシャルコストや時間の負担が生じます。また、退出時には原状回復工事が必要です。

私たちのようなスタートアップ企業は、その性質上、入居した時点の前提でオフィスを整えるのはリスクがあります。その点、 WeWork のようなフレキシビリティの高いコワーキングスペースは、起業してまもない企業にフィットしていると感じます。

──前のオフィスも隣接したロケーションだったとのことですが、「虎ノ門」という立地にはこだわりがあるのでしょうか。

衛藤:ビル名に虎ノ門という名前が入っていることで、上場企業のお客さまに向けたサービスを提供する企業として、またESG(環境・社会・企業統治)に関わる業務を行う企業として、ブランディング上のメリットは感じます。また当社は経済産業省が所管する「J-Startup企業」に選定され、環境省の令和4年度「環境スタートアップ大臣賞」も受賞しました。官民連携の取り組みをフットワーク軽く行うためにも、虎ノ門は関係省庁に近い絶好のロケーションだと考えています。 WeWork はいろいろなエリアにありますが、銀座、新宿、六本木など、業種によってブランド力を感じる拠点は異なるのではないでしょうか。

伊集:今後は WeWork をプラットフォームに、関係省庁とのネットワーキングやプレゼンテーションの機会を通じて、他の入居企業や自治体などとの連携を促進し、霞が関に近いこの WeWork KDX 虎ノ門1丁目が、スタートアップ企業のエコシステムのハブになっていくことも期待しています。

頻繁に行う自社の採用イベントが、自社スペース内で完結

──100席ほどの執務スペースと50席ほどの多目的に使えるスペース、そして貴社だけのラウンジをどのように使用していますか。

衛藤:今後も事業を拡大していくためには、セールスに力を注ぐ必要があります。

伊集:そうした意味から、人材確保は大きなテーマです。毎月新メンバーは入社していますし、採用イベントも毎月のように実施しています。本日(取材日)もちょうど採用イベントを行うのですが、以前のオフィスでは、その度にイベントスペースを確保する必要があり、その後オフィスツアーを行うにも移動が必要でした。

WeWork をワンフロア専有で利用している現在は、執務スペースに隣接したスペースで採用イベントを行い、その後すぐにオフィスツアーを実施できるようになりました。さらに、当社専用のラウンジがあるのでイベントに参加した志望者と社員の自然な交流も容易になり、当社の雰囲気を感じてもらいやすくなりました。

WeWork のシンプルながらも居心地の良い空間は好評で、最終面談に進んだ候補者から「働く環境として雰囲気が良い」と、好意的なフィードバックも得ています。

さらに広報の立場からすると、社員とのコミュニケーションが非常に重要です。その点、 多くの社員が行き交う(専有の)ラウンジは、社員に声をかけやすく、重宝しています。また、 WeWork のコーヒーやビールの提供をはじめとした、コミュニケーション促進のための仕組みは有効に機能しています。 WeWork のコミュニティチームもフレンドリーで、サポートもきめ細かく、快適に過ごすことができています。

衛藤:これは私見ですが、これまでのオフィスで一般的だった入居時の内装工事や退去時の原状回復は、環境への負荷も高く事業内容にフィットしないと感じます。自社の対外的な存在感のアピールや、社員のモチベーションアップなどを考えて個性的な内装を志向する企業もありますが、私は WeWork のインテリアデザインが気に入っていますし、カルチャーとしても親和性を感じています。

──今後どのような WeWork の活用をイメージしていますか。

衛藤:本格的な利用はこれからですが、毎月付与されているクレジットは、共有の会議スペースの利用をはじめ、出張やオンサイトの展示会の際に海外を含めた WeWork の別拠点を活用する、といった使い方を想定しています。

また、今のペースでスタッフが増えていくと、早晩に今のスペースも手狭になります。その際、他の階の活用などの拡張性を検討できることも魅力です。また、 WeWork なら現在の拠点だけではなく他の拠点もイベントなどで利用できるので、例えば100人以上を集客するような、比較的規模の大きい自社開催のイベントでは大型拠点の活用ができるのではと期待しています。

 

* 本記事は2023年11月に実施したインタビューをもとに作成しています。

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