バーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスのトラブル事例と対処法12選
バーチャルオフィスを利用できない業種
バーチャルオフィス利用時の注意点
トラブルが起きにくいバーチャルオフィスの選び方
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多額の費用をかけず、手軽に商業用の住所や電話番号を確保できるバーチャルオフィス。便利なサービスですが、思わぬトラブルに巻き込まれたり損害を被ったりするリスクもあります。本記事では、バーチャルオフィスのトラブル事例と対処法、利用時の注意点、そしてトラブルが発生しにくいバーチャルオフィスの選び方について解説します。
バーチャルオフィスとは、業務用の住所を借りるためのサービスであり、仮想オフィスです。郵便物の受け取りや法人登記、電話番号の利用など、オフィスの一部の機能が利用できます。物理的なオフィス自体が存在しないため、月額料金が安く抑えられていますが、デスクや椅子、プリンタといったオフィスツールが利用できません。自宅やほかに用意した作業スペースを利用し、事業用の住所や電話番号が必要なビジネスオーナーに適したオフィスタイプです。
便利なバーチャルオフィスですが、場合によっては思わぬトラブルに巻き込まれてしまうこともあります。トラブルを回避するために、事前にリスクを知っておきましょう。
【トラブル内容】利用者は、バーチャルオフィスの運営会社が解散したため、契約が解除になると思い更新手続きを行わなかったが、元の運営会社から次年度の支払いを求められた。
【対処法】解散後の対応を通知していない段階で更新月を迎えた場合、契約書の内容が優先されることがあります。つまり、自動更新の契約であれば、解約手続きをしないかぎり契約が更新される可能性があるということです。運営会社が解散した場合は、解散後の対応を早急に確認するようにしましょう。
【トラブル内容】毎月の利用料金を支払っているクレジットカードが使えないという連絡がきた。
【対処法】有効期限切れや限度額を超えてしまったことが原因だと考えられます。更新により新しいカードが手元にある場合は、カード情報を変更する手続きを忘れずに行いましょう。
【トラブル内容】バーチャルオフィスの住所が過去に詐欺で利用されたことがあると判明した。
【対処法】過去に詐欺などの犯罪に利用された住所の場合、口座開設や融資などに影響が及びます。審査が甘いバーチャルオフィスには注意しましょう。事前にインターネットで住所を検索することで、過去の犯罪がわかる可能性もあります。
【トラブル内容】届くはずの郵便物が届かなかったため確認したところ、別の利用者に転送されていた。
【対処法】郵便物の仕分けや発送は人の手で行われるため、ミスが発生してしまう可能性があります。そのため、郵便物を受け取った側も宛先が正しいかを確認するようにしてください。運営会社によっては、郵便物を受け取る際に本人確認を必須としている場合もあります。
【トラブル内容】郵便物のタイムラグにより、請求書の受け取りが遅れ、支払いできなくなってしまった。
【対処法】郵便物はバーチャルオフィスに届いてから受け取るため、タイムラグが生じます。郵便物の到着報告や郵便物の受け取り方法、転送頻度はバーチャルオフィスによってさまざまです。契約前に、郵便物の取り扱いについてしっかりと確認しておきましょう。
【トラブル内容】利用料金がいきなり値上げされてしまった。
【対処法】値上げ理由に納得できない場合は、解約も考える必要があります。ただし、解約する場合は契約内容の、解約予告期間や規約に違反した際の損害金について確認しましょう。
【トラブル内容】業界最安値だと聞いて契約したのにオプション料金が高額で、結局大手のバーチャルオフィスと同じような料金になってしまった。
【対処法】契約前に、基本プランの内容やオプション内容、料金について確認することが大切です。
【トラブル内容】バーチャルオフィスが入居するビルの老朽化がひどい。
【対処法】格安のバーチャルオフィスを運営している会社は、古くて賃料の安いビルに入居していることが多くあります。入居するビルが汚いと、会社のイメージ低下にもつながるため、契約前に、ビルの外観などを確認しておくとよいでしょう。
【トラブル内容】会議室も利用できると聞いて契約したが、狭いうえに壁が薄く、外に声が漏れるような会議室だった。
【対処法】内装や外観などは、自分の目で確かめるのが鉄則です。住所を借りるだけと考えず、契約前に内見しましょう。
【トラブル内容】利用していたバーチャルオフィスが無届けで住所貸しをしていたらしく倒産してしまい、登記変更などに時間やコストがかかってしまった。
【対処法】事業経歴が長く店舗数が多いバーチャルオフィスは、経営が安定している可能性が高いでしょう。倒産のリスクが低いバーチャルオフィスを選ぶように事前の下調べを徹底します。
【トラブル内容】バーチャルオフィスを解約したにもかかわらず、ホームページの住所を削除し忘れていたため、解約日から判明した日までの利用料金を請求されてしまった。
【対処法】契約内容にもよりますが、ホームページなどの情報をそのままにしておくと使用料金を請求される可能性があります。解約後は、早急にホームページや名刺などから住所を削除しなければなりません。
【トラブル内容】バーチャルオフィスを解約したところ、違約金を請求されてしまった。
【対処法】運営会社によっては、契約内容に解約予告期間や規約に違反した際の損害金が記載されている場合があります。解約する場合は、解約予告期間などをしっかりと確認しましょう。
便利なバーチャルオフィスですが、利用できない業種もあります。該当する業種でバーチャルオフィスの住所を用いて登記すると違法になるため、注意が必要です。
人材派遣業や有料職業紹介業は、行政からの許認可が必要です。許認可を得るためには、面談スペースの確保や個人情報が守れる構造であることなどが条件であるため、仮想オフィスであるバーチャルオフィスでは許可を得られません。
弁護士や司法書士、税理士などが士業を行うときは、それぞれが所属する弁護士会や司法書士会などへの登録が必要です。その際に、実在する事務所の登録が必要となるため、バーチャルオフィスは利用できません。
探偵業を開業するときは、警察署を経由して各都道府県の公安委員会に届け出る必要があります。届出には、事務所の所在地を記載する必要があるため、バーチャルオフィスは利用できません。
建設業は、行政からの許可が必要です。許可には独立した事務所が必要となるため、バーチャルオフィスは利用できません。
他にも、不動産業や中古品販売、金融商品取引業者などもバーチャルオフィスの利用ができません。バーチャルオフィスは、あくまでも住所を借りるだけのサービスなので、面談や契約が必要となる業種、商品を保管する必要がある業種には不向きです。ただし、許認可の条件については緩和される場合もあるため、自身の事業内容がバーチャルオフィスで開業可能かはきちんと確認するとよいでしょう。
バーチャルオフィスを利用する前には、契約書をしっかりと確認します。プラン内容や契約期間、オプションなども確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。クライアントに不信感を抱かせることがないよう、サービスの質も確認しておくと安心です。電話対応であれば、実際に電話をかけてみたり、インターネット上の評判を確認してみたりするとよいでしょう。
無許可の住所貸しは違法性が高いため、口座開設や融資など事業の将来にも悪影響を及ぼします。無許可の住所貸しを行っている業者と契約しないために、下調べはしっかりと行います。
バーチャルオフィスは、複数の人が同じ住所を利用していることを理解する必要があります。顧客や取引先にはバーチャルオフィスであることを伝えておくとスムーズです。
登記サービスを提供していないバーチャルオフィスも存在するため、事前に登記できるかどうかを確認しておくとよいでしょう。バーチャルオフィスでは許認可がとれない業種もあるため、許認可が必要な場合は条件を確認します。
トラブルの起きにくいバーチャルオフィスを見極めるポイントは、以下の通りです。
運営期間や運営会社の本業を確認できないバーチャルオフィスは、ビジネスの実態が不明なので避けたほうが無難でしょう。また、契約前に本人確認や審査をしっかり行っていないバーチャルオフィスは、犯罪などに利用されやすいと考えられるため、選択肢から外します。利用規約があまりにも利用者が不利になる内容であったり、オフィスへ電話や訪問した際の対応が悪かったりする場合も思わぬトラブルに発展する可能性が高いため、避けることをおすすめします。