補助金・助成金の違い
創業時に知っておくべき助成金・補助金4選
創業時に助成金・補助金を利用する注意点・デメリット
まとめ
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会社を設立した当初は設立費用だけでなく、事業のランニングコストや従業員の人件費など多くの資金が必要となります。自己資金を十分に確保していないと、事業が思うように進まず、経営が困難となるケースも少なくありません。
このように、金銭的な不安を抱えやすい創業間もないスタートアップ企業や中小企業向けに助成金・補助金が用意されています。これから起業を検討している方は、自社でどのような助成金や補助金を利用できるのかをチェックしてみましょう。
補助金・助成金の違い
補助金と助成金は、どちらも国や自治体が提供する支援制度という点で変わりはありません。また、返済義務が発生する融資と異なり、原則として返済する必要がない点も同じです。
両者は、予算や件数に上限があるかないかに違いがあります。助成金は、定められた要件を満たしていれば基本的にどの会社にも支給されます。一方で補助金は、予算・件数に上限があり、早いもの勝ちや公募抽選などで決まる場合が多く、希望したすべての会社に支給されるとは限りません。
さらに、一般的に、助成金の申請期間は長期であるケースが多いですが、補助金は数週間から1か月程度しか申請できない場合があります。
創業時に知っておくべき助成金・補助金4選
起業したばかりのスタートアップ企業やベンチャー企業は、事業に使える資金が限られていることから、金銭的な悩みを抱えることが多くなります。そこで、創業間もない企業向けに提供している助成金と補助金を活用してみましょう。ここでは、創業時に知っておきたい助成金・補助金4選を紹介します。
創業支援等事業者補助金
創業支援等事業者補助金は、中小企業庁が主体となった補助金制度です。各市町村と連携し、創業期の支援や新たな雇用の創出等の取り組みを促し、日本経済を活性化させる目的があります。
申請期間は市町村ごとに異なりますが、毎年春の時期に1か月程度受け付けています。返済義務がない点や、資金調達が難しい創業期における自己資金の準備に活用できます。
名称 | 創業支援等事業者補助金 |
補助対象 | 産業競争力強化法に基づく「認定市町村」で創業、かつ従業員1名以上を採用する予定のある企業 |
補助額 | 1,000万円 ※下限50万円 |
申込方法 | 各市町村の窓口 |
公式HP | 創業支援等事業者補助金公式HP |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が働き方改革や賃上げ、インボイス制度の導入といった制度の変更に対応するための補助金制度です。小規模事業者の事業の取り組みに関して、経費の一部を補助することで地域の雇用の安定性や、生産性の向上などを目指します。
過去7回分の申請実績があります。補助対象の経費項目が決まっており、広報費、旅費、開発費、資料購入費など、全13項目の経費に活用できます。
名称 | 小規模事業者持続化補助金 |
補助対象 | ・会社及び会社に準ずる営利法人であること
・個人の場合、個人事業主であること ・一定の条件を満たす特定非営利活動法人であること |
補助額 | 一般型:50万円以内、 特定創業支援など:+50万円
補助対象経費の2/3以内 |
申込方法 | 補助金の申請書類を郵送、または電子申請で提出 |
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、厚生労働省が主体となった助成金制度です。有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用者のキャリアアップの促進を目的としています。
助成対象も幅広く、有期雇用労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等へ転換をした場合に助成する「正社員化コース」、有期雇用労働者等の賃金規定を改定した場合に助成する「賃金規定等改定コース」など、全7コースが適用対象です。コース助成対象となる取り組み期限は、従業員100名以下の企業の場合、2022年9月30日までとされています。
名称 | キャリアアップ助成金 |
助成対象 | 本助成金の対象となるコースの取り組みを実施した企業、その他条件あり |
助成額 | 例:有期 → 正規:1人当たり 57万円 |
申込方法 | キャリアアップ計画書と必要書類を管轄労働局に提出 |
地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】
地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】は、中小機構と各都道府県の公共団体・金融機関等が共同で出資する官民ファンドです。農林水産や伝統工芸品など、地域への貢献性が高い事業に取り組む企業を支援します。
原則として、助成金の返済義務はなく、複数年にわたって資金を助成するファンドもあります。主に研究・開発・新規開拓といった事業費用が助成の対象です。
名称 | 地域中小企業応援ファンド【スタート・アップ応援型】 |
助成対象 | 地域への貢献度が高い中小企業 |
助成額 | 応相談 |
申込方法 | 各都道府県のファンドに申請 |
創業時に助成金・補助金を利用する注意点・デメリット
創業時における金銭的なサポートとして助成金・補助金を活用できますが、注意点やデメリットに気をつけるようにしましょう。助成金・補助金を申請する前に、確認しておきたい注意事項を説明します。
すぐに資金が手元に入るわけではない
助成金や補助金を申請しても、すぐに資金が手元に入るわけではありません。原則として、経費が発生したあとに支給されるため、資金のやりくりに注意が必要です。
また、支給対象となる経費以外には、助成金や補助金を使えない点にも気をつける必要があります。募集要項をしっかりと確認した上で、自社の目的に適した制度であるかを見極めるようにしましょう。
申請手続きに時間がかかる
助成金や補助金を申請する際には書類に加え、資金をどのように活用するのかをまとめた計画表の提出が求められます。申請後も、書類の記入ミスや会社情報に関する資料が求められるなど、想定していたとおりに申請が進まない可能性もあります。
なお、丁寧に書類を作成して申請をしても審査に通過できないことも多く、それなりの時間と労力を無駄にすることも頭に入れておかなければなりません。審査に合格したあとも、定期的に報告書の提出が義務付けられているため、事務的な作業に時間を奪われる場合があります。
プロジェクトによっては倍率が高くなる
助成金・補助金制度のプロジェクトのなかには支給額が高額であったり、支給対象のハードルが低かったりすることで、倍率が高くなってしまうケースがあります。とくに全国の企業を対象にしているプロジェクトの場合、応募も殺到することが予想されます。
最悪の場合、応募したすべてのプロジェクトの審査に通過できないこともあるため、計画的に応募するようにしましょう。また、複数の応募のなかから審査に通過できるように、自社の事業計画に価値を感じてもらえるようなアピールをすることも大切です。
まとめ
創業間もない時期の金銭的な課題を解決するためにも、助成金や補助金を活用してみましょう。原則として返済する必要がないことから、リスクを伴わずに事業資金として有効に利用できます。
とはいえ、すぐに資金が手元に入るわけではないため、日頃から資金管理を徹底することが大切です。さまざまな種類の助成金・補助金制度があるため、自社で適用できそうなものをピックアップしてみてください。
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