OJTとは?
OJTを行う上でのオンラインと対面の違い
テレワーク中にOJTを実施する際の7つのポイント
まとめ
社内コミュニケーションを活性化させるWeWork
新人教育の重要性が高まる一方で、テレワークや在宅勤務でのOJTに苦戦している教育担当者が多くいます。対面でのOJTとは違い、オンラインでのOJTでは良好な人間関係がつくりづらいことに加え、OJTの特徴ともいえる模倣による指導もできません。
しかし、将来的にはテレワークや在宅勤務は増えていくと考えられるため、オンラインでのOJTに関しても準備をしていくことが重要です。そこで本記事では、テレワークや在宅勤務時の新人教育でOJTを行う際のポイントについて紹介します。
OJTとは?
「OJT」とは「On the Job Training」の略で、実際の職場にて先輩や管理職が新人に直接働き方やビジネスマインドを教える育成方法です。個人の成長には、仕事の直接体験や先輩や上司からのアドバイスが大きな役割を果たすと考えられており、多くの企業にてOJTによる新人教育が行われています。
OJTと比較される育成方法として「Off-JT」があります。Off-JTは、集合研修や座学、グループワークなどを通し、必要な知識やビジネススキルを学ぶ方法です。知識を体系的に学べるため、土台づくりには適していますが、現場で活かせる学びかどうかには大きな課題があります。
一方、OJTは現場で経験を積みながら、先輩に指導してもらう研修です。Off-JTと比べると体系的に学べない、先輩の考え方に大きな影響を受けるため汎用性に欠けるなどの問題もありますが、実践に活きる力を身につけることができることから、企業において積極的に導入されています。
株式会社産労総合研究所が企業に対して実施した「2019年度(第43回)教育研修費用の実態調査」では、2019年度に実施予定の職種別・目的別教育において「OJT指導員研修」が42.9%でトップでした。このことからも、OJTへの関心の高さがうかがえます。
OJTを行う上でのオンラインと対面の違い
コロナにより、テレワークや在宅勤務が増えたことで大きな悩みを抱えたのが、新人の教育担当者です。新人教育の主な方法であるOJTは、現場での経験をもとに、先輩から指導やアドバイスを受ける方法です。しかし、テレワークや在宅勤務が主要な働き方になったことで、これまで通りのOJTが実施できなくなりました。
対面によるOJTとオンラインによるOJTでは、以下のような違いがあります。
違い① 人間関係の構築のしやすさ
対面でのOJTは、会話を中心にして進められるため、教育担当者と新人の間の人間関係が構築しやすいといえます。その一方で、画面越しとなるオンラインのOJTでは信頼関係が構築しづらく、十分な関係が築けていない状態で指導を続けていくことになります。
信頼関係が築けていれば、少し厳しい指導であったとしても、成長のためだと思い、新人は受け止めることができるかもしれません。しかし、信頼関係が築けていない場合、受けた指導やアドバイスを不安に感じ、前向きに働くことが難しくなる可能性があります。
違い② 新人の状況や困りごとの把握のしやすさ
対面でのOJTでは、新人の作業の様子を直接観察することで、状況や困りごとを即座に把握することができます。一方、オンラインのOJTでは、新人が行っている仕事内容は画面越しに見ることはできても、新人がどのような表情で働いているのか、どこでつまずいているのかなどが見えにくくなります。
そのため、教育担当者は適切な助言をするのが難しくなり、指導効率が下がります。
違い③ 見て真似て覚える
対面でのOJTでは、先輩のやり方を見て真似て覚えるという方法が効果的です。しかしながらオンラインにおいては、OJTの醍醐味ともいえるこの方法が使えません。
画面越しに先輩の仕事ぶりを確認することはできますが、実際に対面で見て感じるのとでは大きな違いがあります。そのため、オンラインでは一般的な仕事内容は伝えられても、臨機応変な対応や、経験から得られる細やかな配慮などは伝えにくくなります。
テレワーク中にOJTを実施する際の7つのポイント
オンラインでのOJTは、対面でのOJTよりもさまざまな点で困難が生じると考えられます。しかし、テレワークや在宅勤務が主要な働き方となりつつある今日、オンラインでのOJTを効果的に行う方法を準備しておくことも重要です。テレワーク中にOJTを実施する際のポイントを紹介します。
ポイント① 定期的な対話の場を構築
テレワークによるOJTでは、会話の機会やともに過ごす時間の減少により、信頼関係が築きにくくなっています。そのため、定期的な対話の場を確実に構築することが大切です。
毎日同じ時間に数分間の対話の機会を設けるとともに、週に数回、少し長めのミーティング時間を設けるといいでしょう。必要に応じて臨時のミーティング時間を設けることも重要ですが、信頼関係を築くためには、定期的に対話の時間を設けることが大切です。
ポイント② コミュニケーションに適したツールを利用
オンラインによるOJTでは、教育担当者と新人の間で、多くのコミュニケーションを図る必要があります。メールでは情報の整理が複雑になることに加え、スピーディな対応ができないため、コミュニケーションに適したチャットツールなどを導入するようにしましょう。
ポイント③ グループウェアを取り入れる
テレワークでのOJTを効率よく進めるために必要なデジタルツールを個々に準備するのでは大変です。そのため、テレワークに適したグループウェアの導入をおすすめします。
グループウェアは、オンラインでの仕事を効率的に進めるための優れたツールが複数含まれているため、1つのグループウェアを導入するだけでテレワークによるOJTの効率が格段に向上します。また、テレワークに適したさまざまなビジネスツールが開発されているため、必要に応じたビジネスツールを導入することも効果的です。
ポイント④ 評価項目や育成ビジョンを共有する
対面でのOJTは、教育担当者がその場で感じたことを中心に指導していきます。しかしオンラインでのOJTでは、評価の項目や基準を設けずに指導を行った場合、新人は何を目指して学べばよいのかわからず、路頭に迷う可能性があります。
オンラインでOJTを行う場合には、新人に期待する知識やスキル、ビジネスマインド、育成ビジョンなどを表に書き記すなどして明確化し、わかりやすい評価指標や目標に基づいてOJTを実施してみるといいでしょう。
ポイント⑤ 言語化して伝える
対面のOJTでは「実際に示す」という方法が使えますが、オンラインによるOJTでは情報を言語化して伝えるということが重要になります。教育担当者が当たり前に行っていることをあえて言語化し、一般的な法則として伝えることで、新人は大切なことをつかむことができます。
自分の中にあるコツや無意識の行動を言語化して伝えるということは簡単ではありませんが、長期的な視点のもとで、教育担当者自身も訓練する必要があります。
ポイント⑥ 複数の担当者で新人のサポートをする
テレワークは、場合によってはオフィスでの仕事以上にストレスが溜まったり、モチベーションが低下したりする可能性があります。1人の教育担当者が新人教育にあたった場合、新人が抱える不安を見過ごしてしまうこともあるかもしれません。
また、両者の関係性が良好でなかった場合は、人間関係の問題で悩みを抱えることもあります。そのため、オンラインでOJTを行う際には、複数の担当者で新人のサポートを行うことが望ましいでしょう。
ポイント⑦ オンラインのOJTでできることを中心にプランを組む
さまざまなビジネスツールの出現により、オンラインでもOJTが行いやすくなってきていますが、やはり対面とオンラインのOJTではさまざまな点で違いがあります。そのため、対面の場合とまったく同じ学びを期待するのではなく、オンラインでのOJTに適した学びに焦点を当てることが大切です。
例えば、オンラインではネットを活用して調べごとをすることに適しています。また、自分の考えをテキスト化したり、自分の学びを系統的に記録したりすることもできます。集中して課題に取り組むことに長けていると感じる人も多いでしょう。
対面でのOJTに向いている指導はオフラインで直接会う機会を設けた際に重点的に指導するようにし、オンラインでの研修はOff-JTの時間を多めに設けるなど、全体のバランスを考えていくことが重要です。
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まとめ
本記事では、テレワークや在宅勤務でのOJTの難しさを紹介するとともに、オンラインでもOJTを効果的に進めるためのポイントについて紹介しました。
オンラインのOJTでは、対面のOJTとまったく同じ指導ができるわけではありません。さまざまなツールやテクニックを活かし、対面によるOJTの成果に近づけていくとともに、オンラインのOJTだからこそできる学びにも注目し、指導方法を工夫していくことが求められます。
社内コミュニケーションを活性化させるWeWork
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参考:
https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_1910.pdf
・本記事の内容は、公開日時点の情報をもとに作成しています。