更新日:2024.08.15

創立60年超のトラディショナル企業が WeWork と挑んだ「新しい働き方」への転換

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導入事例

■課題と効果

入居のきっかけは、 WeWork セールス担当者から提案された「断捨離」プラン

トラディショナルな企業だからこその不安を払拭する

WeWorkは常に開放的で、クリエーターの創造性を刺激してくれる

多くの企業が、ウィズコロナ、アフターコロナへの対応にとどまらず、未来に向けた働き方の改革に取り組んでいます。1958年創立の総合広告代理店である株式会社協同宣伝も例外ではありません。同社は2021年12月13日、東京都千代田区三番町に構えていた本社を、WeWork KANDA SQUAREに移転。「オフィス改革」を起点とし、新しい働き方への転換に挑んでいます。しかし移転の道程には、業界やトラディショナルな企業特有の課題があるようです。移転プロジェクトをリードした同社総務局局長の髙橋大輔氏と、髙橋氏に伴走しオフィスプランを提案した WeWork のアカウントマネージャー、グロースパートナーシップの酒井一樹に話を聞きました。

■課題と効果

  • 旧本社が入居する賃貸オフィスの更新を目前に控えたころ、新型コロナウイルス感染症の影響で社員のリモートワークが増えた。 WeWork への本社移転を検討し一度は社長の了承も得たが、最終判断で不安の声が挙がり、一転して暗礁に乗り上げた。
  • WeWork からプライバシーやセキュリティーを保護できるスペース(専用オフィス)を会議スペースとして利用するオフィスプランを改めて提案され、不安を抱いていた役員も納得。
  • 広告代理店という業種から、紙資料や紙媒体を置くスペース、また自社サーバー、高性能複合機などの設置場所を確保する必要があった。
  •  WeWork のセールス担当者が移転前の本社を訪問し、従来の職場環境を確認。移転時に断捨離を行うとともに、新プランには収納用キャビネット、自社サーバー、複合機などの設置スペースを盛り込み、必要最低限の座席数も確保した。

入居のきっかけは、 WeWork セールス担当者から提案された「断捨離」プラン

── 会社概要をご紹介ください。

髙橋 協同宣伝は1958年創立の総合広告代理店です。JAグループ「一般社団法人家の光協会」の出資で設立した経緯もあり、JAグループのお手伝いを多くさせて頂いております。しかし他の広告代理店と同様、他の多くの顧客を対象に、マーケティングプランニング、デジタルソリューション、クリエーティブ、プロモーション、PR・パブリシティーなどの活動をサポートしています。本社は東京にあり、大阪と名古屋に支社を持っています。

── 貴社のようなトラディショナルな企業が、 WeWork への入居を決断した理由を教えてください。

髙橋 移転前、当社は東京都千代田区三番町にある賃貸オフィスに入居していました。2005年から15年余り、入居中はビル内で他の階に移ったのをきっかけに大規模なリノベーションを行うなど、満足して使っていました。しかし、2回目の更新を目前に控えて、ビルオーナーからは賃料の見直しの話がありました。コロナ禍で広告市場も打撃を受け、当社も例外ではなく、コロナの収束も見えない中では賃料が上がるのは痛手です。さらに、限られた費用のなかでオフィス環境の改善や社員のモチベーションアップを図りたいとの狙いもあって、経営陣により「移転によってオフィスの見直しを検討」との意思決定がなされ、総務局長である私が移転先を検討することになりました。

── WeWork を知ったきっかけ、決断の決め手を教えてください。

髙橋 当時の本社から近い半蔵門を歩いていたとき、たまたま目にしたのが、 WeWork 半蔵門 PREX Southでした。そのときは賃貸物件を中心に探していたので、シェアオフィスは考えていませんでしたが、念のための情報収集として WeWork の公式HPのフォームから問い合わせをしてみました。そのときにご担当いただいたのが、 WeWork の酒井さんでした。

酒井 WeWork への移転を検討する上で、髙橋さんが懸念されていたのは予算の範囲内で契約した場合の「広さ」の問題でした。仕事柄、紙の資料や印刷物の在庫・バックナンバーが本社、倉庫のかなりのスペースを占めており、本社にある分だけでもその量は膨大とのことでした。またクリエーターの方が使う高性能な複合機、そして自社内に設置していたサーバーも必須の設備で、移転となれば、それらの設置場所も必要でした。そこで私は、「これを機会に断捨離し、身軽になってみてはいかがでしょうか」と髙橋さんにご提案。当然、残すべきものは一定量あるので、それらを持って移転できるよう、旧本社に伺い紙資料などの入ったキャビネットや設備などを全て採寸しました。「どこまで移転先へ持ち込めるか」「それらを設置したとき、どのくらいの席を確保できるか」を図面に起こし、プランニングしていきました。

髙橋 他にも酒井さんからは、 WeWork ではメンバー共有の会議室をシェアできるためスペースを有効活用できること、増床などにもフレキシブルに対応でき、退去時には原状回復費があまりかからないこと、そして社員のモチベーション向上につながることなど、さまざまなメリットを教えてもらいました。そのころには、私も WeWork 移転に乗り気になっていました。

トラディショナルな企業だからこその不安を払拭する

── その後の WeWork 移転決定までの経緯を教えてください。

髙橋 その後、移転プロジェクトは順調に進みましたが、実は移転予定直前になって、大きな暗礁に乗り上げることになってしまいました。2021年に入ってから本格的に検討を始め、社長へのプレゼンを行い、社内向けに WeWork 見学会も実施。社長には大筋で合意を得られ、財務面の課題もクリアできました。5月の大型連休明けには契約し、 WeWork への入居準備を開始する段取りになっていました。

しかしその直前の4月、取締役向けに最終プレゼンを行うと、役員からさまざまな意見が出てきました。特に一部の役員が気にしていたのは、共有スペースで行う会議のプライバシーの問題。「本当にシェアオフィスで大丈夫なのか」「見直すべきではないか」などと言われ、移転プロジェクトにストップがかかりました。

── どのようにその難局を突破したのでしょうか?

酒井 まずその知らせをくれた髙橋さんから、「WeWork 移転を諦められない」との力強いお言葉をいただきました。ならば、私はその思いに応えるだけです。まずは、これまで提案していたオフィスプランを最初から見直し、プライバシーやセキュリティーの守られた小部屋(専用オフィス)を、専用の会議スペースとして付帯する案などを盛り込み、新たなオフィスプランをご提案しました。

3分でわかる WeWork

3分でわかる WeWork

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── 髙橋さんが説得材料をそろえていったのでしょうか?

酒井 はい。今回のような不安は、堅実に事業を行ってきた企業であればあるほど、出てくる当然の懸念だと思います。ただ、半面で、そうした企業様だからこそ、 WeWork を検討いただく価値があると考えています。その不安を払拭して安心してご入居いただくことこそ、私たちの使命だと考えました。

髙橋 酒井さんには本当に感謝しています。当社は2018年に創立60周年を迎えた老舗企業です。創業以来ずっと伝統的に守られてきた働き方やルールがあるため、「変わること」「変えること」にとても慎重です。しかし確実に言えることは、老舗であろうがベンチャー企業であろうが、コロナ禍でビジネス環境が激変していることは変わりません。今回、私も酒井さんからの新たなご提案を受け、再び役員に「今こそ、私たちも変わりましょう」と説得する気持ちになれました。おかげで社内合意にこぎ着け、2021年8月に契約しました。

WeWorkは常に開放的で、クリエーターの創造性を刺激してくれる

── 2021年12月13日から、 WeWork KANDA SQUAREでの業務が始まっていますが、今のオフィスの契約内容や利用状況を教えてください。

髙橋 63人用の少し広めの部屋に入居しています。そこに、当社デザイナー専用の高性能複合機や書類などを入れるキャビネットを複数台配置し、35〜36人分の席を確保しています。またオンプレミスの自社サーバーは、 WeWork のサーバールームに収容させていただいています。一般の賃貸オフィスではサーバーを設置するスペースの確保や冷却用の空調設備を整えたりするのにかなり労力とコストがかかりますので、その面だけでも大きなメリットがあると感じます。

左奥に見えるキャビネットをはじめ、紙資料や各種機材の収納場所も確保

── 入居に際しては、社員の方にも協力を仰ぐことになったのではないでしょうか。

髙橋 最初のお話の通り断捨離をしなければならなかったので、移転は社員を巻き込んだ一大プロジェクトになりました。もちろんその間には、酒井さんの他、 WeWork のコミュニティチーム、ITチーム、プロダクトチームなど、多くの方にご協力いただきました。 WeWork 移転をきっかけに、改めて社内に一体感が生まれたと思います。これまでにない体験でした。

── 入居後、どのような変化がありますか?

髙橋 クリエーティブにものごとを考えるのがわれわれのような広告代理店の仕事ですが、現実には仕事に没頭するあまり閉じこもって仕事をすることも多くなりがちです。しかし、  WeWork は常に開放的であり、創造性を刺激してくれます。まだこれからですが、社員の働き方や創造性の面で大きな成果が出てくるのではないかと期待しています。

新たなオフィス環境に適合していけるよう、ペーパーレス化も推進しています。始動からまだ日が浅いため、どこまで生産性に好影響が出ているか検証できていませんが、全社を挙げて、効率的な働き方にチャレンジしていくつもりです。

あと1つ、気持ちの面で大きな変化があります。それは、自社に「来てもらいたい」と思えるようになったこと。実際、移転後にご来訪された顧客やビジネスパートナーからは、いつもうらやましがられます。予定していた打ち合せの後、そのままビールを飲みながらカジュアルなミーティングに発展することもあります( WeWork は、コーヒーや紅茶をはじめとしたフリードリンク以外に、ビールも無料で提供しています)。 WeWork は「一緒に話したくなる雰囲気」を演出してくれる場所です。以前の本社にはなかった要素です。また、採用面でも「こんな場所で働いてみたい」と思ってもらうことができ、ブランディング効果もあると感じています。

── 他の入居企業との交流はありますか。

髙橋 コミュニティチームの方に、5月下旬に交流会を企画していただきました。当社は広告代理店ということで、顧客の業種は問いません。交流会から次の仕事につながるかもしれないし、協業する道もあるかもしれない。そうしたつながりへの期待を持つだけで、気持ちが高ぶります。また、 WeWork のように他の入居企業の目があると、いつもきれいで清潔な服装でいようという意識が社員に生まれたと思います。

── 最後に酒井さんの視点から、今回のご入居について総括してください。

酒井 協同宣伝様はコスト削減を実現しつつ、オフィスグレードを向上されたと思っています。今こうして WeWork 内にいる社員の方を拝見しても、明らかにモチベーション高く働かれているのを感じます。セールス担当としてこんなにうれしいことはありません。今は一部リモートで働かれている社員の方もいますが、今後出社率が上がっても WeWork ならそれに合わせて柔軟に拡張もできます。これからも伴走しながら、最適なオフィス環境を提案していきたいと考えています。

* 本記事は2022年6月に実施したインタビューを元に作成しています。

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