■課題と効果
スタートアップに不足しがちな「ブランド力」を底上げできる
WeWork は、構えずに気軽に遊びに来てもらえるオフィス
WeWork には「Equality・Diversity・Trust」が詰まっている
2020年6月17日、元女子高生AI「りんな」を含むチャットボットAI事業をMicrosoft(マイクロソフト)から引き継ぎ、設立されたのがrinna株式会社です。これまでの2年足らずの間、事業を急拡大させ、社員も約15人から約100人に増員した同社。新拠点として選んだのが、 WeWork 渋谷スクランブルスクエアでした。rinnaの最高執行責任者のMomo Klyen(クライアン モモ)氏、同社人事部長のAlex Lagata(ラガタ アレックス)氏に、入居の経緯や効果ついてお話を伺いました。
■課題と効果
- 2020年6月、マイクロソフトから独立。スタートアップとして新しいスタートを切る中、優秀な人材を確保できるか課題があった。
- WeWork 渋谷スクランブルスクエアのブランド力で、rinna自体のブランド力を大きく底上げ。「WeWork 渋谷スクランブルスクエアで働ける」ということが、入社の志望度に好影響を与えている。
- 入居に際して他のオフィスも検討したが、敷金や礼金、さらには家具・オフィス機器・インターネットなどのファシリティー費用が過大となり、予算に見合わなかった。
- WeWork は、家具・オフィス機器・インターネットなどのファシリティーが、最初からそろっており、イニシャルコストを抑制できた。敷金や礼金に該当するものも別のオフィスを賃貸するより少なかった。入居後の拡張もフレキシブルに行え、「スタートアップの成長を後押しするオフィス」と感じた。
スタートアップに不足しがちな「ブランド力」を底上げできる
──rinnaは2020年6月17日に会社設立されています。まずは、国内最大の拠点となる「 WeWork 渋谷スクランブルスクエア」への入居理由を教えてください。
(モモ)私たちはマイクロソフトが開発・運営してきた元女子高生AI「りんな」を含むチャットボットAI事業を引き継ぎ独立しました。マイクロソフトという大きな看板を下ろし、スタートアップとして出発する上で、獲得競争が激しい優秀な人材を集められるかどうか不安がありました。
──そのような課題を抱える中、 WeWork への入居を決められた理由は?
(モモ)就職先や転職先をを決める際、魅力ある仕事内容・会社の将来性はもちろんですが「そこで働いている自分」を想像しワクワクできるかが、とても重要な要因になります。そうした観点でオフィス選びをした結果、 WeWork にたどり着きました。中でも渋谷を象徴する建物の一つであるスクランブルスクエアの高層階にあるオフィスは、優秀な人材を集めるのに最適な場所でした。
──他のオフィスは検討されましたか。
(モモ)一般的なオフィスビルや他のシェアオフィスなども当たってみましたが、入居にかかる費用を見積もってみると、どこも敷金や礼金、家具などの整備などにかかるイニシャルコストが高くなってしまいました。一方 WeWork は、まず敷金や礼金がかかりませんし、家具やオフィス機器、インターネットが最初から整備されています。その上、来客の受付や郵便物の受け取り、ドリンクサーバなどが用意されるなど、さまざまなサービスを WeWork が行ってくれるため、移転に伴う初期の作業の省力化はもとより、日常の業務においても会社設立時に必要な作業や、スタートアップにとって競争力の源泉になる本業に注力することができました。
また、会社登記も済んでいなかったわれわれのようなスタートアップとしては、 WeWork の契約のフレキシブルさも使い勝手がよく、入居後の部屋の広さや席数の変更にも随時対応できたのは本当に魅力的でした。当社に限らず、 WeWork はスタートアップの成長を後押しするオフィスとして、欠かせない価値を持っていると思います。
──アレックスさんは人事部長の立場から、拠点選びではどのような課題がありましたか。
(アレックス)当社のビジョンは「人とAIの共創世界」です。そのため「Awaken your creativity with AI characters and make the world colorful.(あなたらしい創造力をAIキャラクターと共に引き出し、世界をカラフルに。)」という言葉をミッションに、人と人をつなぐAIサービスを生み出しています。その活動の中でわれわれが最も大切にしているのは、プロダクトやサービスではなく「カルチャー」です。同時に、スタートアップの人事部にとって最も大きな課題は「優秀な人材に、当社に興味を持ってもらい採用につなげる」ことに尽きますが、コロナ禍におけるリモート中心の採用活動では、なかなか会社のカルチャーを伝えきれないもどかしさがありました。
しかし2020年6月に15人ほどでスタートした当社は、2年を待たずに100人の組織に成長しました。それができたのは、 WeWork のおかげだと感じています。
──WeWork の活用が、人事に与えるメリットについて具体的に教えてください。
(アレックス)最大のメリットは、ブランディングです。人事部長である私の大きなミッションは、優秀な人の採用です。その点において、渋谷スクランブルスクエアにオフィスがあることが好材料になっています。残念ながら、rinnaという会社自体は世の中にまだ知られていないこともあり、社員(志望者)が家族に当社の話をしても、反応は限定的です。しかし、渋谷スクランブルスクエアにオフィスを構えていることが分かると、家族の反応はがらっと変わったと聞いています。家族から良い反応が得られることは、入社の志望度に好影響を与えます。 そのように、ブランド力を創業当時から持てたことは非常にありがたいと感じています。 WeWork 渋谷スクランブルスクエアというオフィスが、rinnaのブランドをいっそう高いものにしてくれたわけです。
WeWork は、構えずに気軽に遊びに来てもらえるオフィス
──入居後の実際の効果や感想についてお教えください。
(モモ)アレックスからもあったように、ゲストや面接に来る学生に「オフィスは渋谷スクランブルスクエアです」と伝えれば、すぐに場所を分かってもらえるのは非常に便利です。パートナーや顧客候補を含めて人を呼びたいときも、「渋谷の高層ビルからの景色を楽しみに来ませんか」、さらには「無料でビールを飲みに来ませんか」など声をかけることができ、構えずに気軽に遊びに来てもらえます。 WeWork コミュニティチームの皆さんも非常にフレンドリーで、彼らと雑談したりするのも楽しく、そんな会話の中から他のメンバーさんとのつながりができたり、ビジネスパートナーシップについて話したりすることもあります。
──他の入居企業とのつながりもさっそく生まれているのですね。
(アレックス)他のメンバー(入居企業)からの問い合わせを受け、カジュアルに自己紹介し合うような場を設けたこともありました。私個人の体験で言えば、マイクロソフト時代一緒に働いていた人が WeWork 渋谷スクランブルスクエアのメンバーだったようで、共有ラウンジでばったり遭遇しました。最初は思い出話をしていましたが、次第に採用プロセスやベストプラクティスのシェアの話に展開して、有意義な時間を過ごせました。このような思いも寄らない出会いから新しい何かが生まれるのも、オープンなカルチャーのある WeWork ならではの面白さだと思います。
──働き方の価値が変わりつつあります。コロナ禍で入居された貴社の場合、そうした変化を肌で感じる機会も多いのではないでしょうか。
(アレックス)そうですね。私たちが会社として目指すのは「フレキシブルワークスタイル」です。「ワークライフバランス」ではなく、「ワークライフチョイス」という観点から、働く場所の選択肢を尊重したいと考えています。このようなカルチャーはなかなか伝えにくいものですが、 WeWork のオフィスを一度体感してもらえば、すぐに理解してもらえると思っています。特に私たちの入居時期は、社員が会社に出勤することや、顧客が関係先として当社を訪問することに対して、今よりも不安を感じる時期でした。ただ、清潔に保たれてメンテナンスの行き届いている WeWork なら、そうした心配が大幅に減ります。今でも社員に向けて「面白いイベントがあるからよかったら出社してね」と呼びかけたり、関係先にも「素敵なオフィスなのでぜひ当社にお越しください」と声を掛けたりしやすい環境があるのは、とてもありがたいと思います。
WeWorkのコロナ対策はこちら。
https://www.wework.com/ja-JP/info/wework-response-to-coronavirus-covid-19
WeWork には「Equality・Diversity・Trust」が詰まっている
──新規採用ではどのような反応が多いですか。
(アレックス)現在広報マネージャーを務めてもらっている女性社員は、2022年1月に入社しました。2021年11月くらいからフルリモートで面接をし、会社に始めて来たのは採用が決まってからのことでした。彼女は長く自社ビルを持つ会社で働いてきたこともあり、面接中は当社がシェアオフィスにあることに不安を感じていたようです。しかし、「WeWork に一度行ったら、そのような不安はなくなった」と聞いています。今では、友人などに自慢したくなるくらい気に入ってくれているそうです。
別のある新卒の内定者も、当社への内定をとても喜んでくれました。当社はもともと自由な社風で、会社に事前申請することなく、誰でもオフィスに呼んでいいということにしていますが、その内定者はある日、お母さんを連れてきました。突然の面会に驚きましたが、後でお母さんの反応を聞いてみると、「立派な会社に入ったね」と喜んでくれたそうです。私も人事部長として、心から安心しました。
──—昨年からは、インターンシップを受け入れているそうですね。
(アレックス)コロナ禍で社会に出てくる若い人たちは、業種や職種を問わず、ずっとリモートのまま働きたいと考える人も多いようです。しかし当社インターンシップの皆さんが口をそろえるのは、「オフィスに出社して働きたい」ということ。新卒採用のマネージャーとして、それらは非常にうれしい反応です。先ほど、申し上げた通り、WeWork はコロナ対策もしっかりしていますし、部屋の大きさや席数をフレキシブルに変更できるので、そうした反応に応えていくこともできると考えています。
──すでに WeWork で働いている社員の変化はどうですか?
(アレックス)スタートアップとして注力したいのは「成長」であり、成長のためにはチームビルディングが欠かせません。コロナ禍で人を集めにくい昨今は「思うようにチームビルディングができない」という課題も頻出しています。しかし WeWork では定期的にイベントが催されていて、各々が自主的にそれらのイベントへの参加することで、自然とチームビルディングに作用します。リモート中心でなかなか会社に来られない社員に向けても、「こんな面白いことやっているから、たまには会社に遊びにおいでよ」と、誘うきっかけにもなっています。
──WeWork のある入居企業は、他社シェアオフィスから WeWork に移転いただいた後、社内サーベイのオフィス環境満足度が「3.9から4.7(5段階評価)」に向上したそうです。貴社で把握している定量的な変化はありますか。
(アレックス)当社も3カ月ごとに社内サーベイを取っています。2021年6月に約50人だった規模が、同年12月には約80人へと拡大しましたが、その半年間でオフィス環境満足度は「6.9から8.7(10段階評価)」に上がりました。東京のメンバーの満足度が特に高いので、今後は生活圏の関係から本社に出社できない社員の満足度も向上させるため、他の都市の WeWork の活用も検討していこうと思っています。
社員の多くがこのオフィスを気に入ってくれています。単純なことですが、とても重要なことです。会社で働くのも家で働くのも自由、他の WeWork 拠点をサテライトオフィスのように使うのも自由。当社カルチャーは「Equality(対等)・Diversity(多様)・Trust(信頼)」ですが、 WeWork には、そのすべてが詰まっていると思います。
* 本記事は2022年3月に実施したインタビューを元に作成しています。