KADOKAWA 荒木様KV

公開日:2021.01.21|更新日:2023.04.05

働き方とオフィスの変革を続ける KADOKAWA 「働きながら試行錯誤した」サードプレイス活用

コンテンツタイプ

導入事例

分散して働く必要性

大きな前進のために「場所を変える」

働き方改革で大切にした3つの軸

コロナ禍におけるテレワーク推進

今後の展望

書籍や映像、ゲームなどの出版、製作で知られる株式会社KADOKAWAは、2020年11月に埼玉・東所沢に文化複合施設「ところざわサクラタウン」を開業、オフィスも開設し、都心(飯田橋)と近郊外の2拠点体制に移行、働き方にも大きな変革を起こしています。
今回は、KADOKAWA のオフィス改革を推し進めてきた、荒木さんにインタビューしました。

これまでに大切にしてきた働き方の3つの軸や、その軸を元に実際にどのようなステップでオフィス改革を行ってきたのか、についてお伺いしました

分散して働く必要性

2020年にオープンした「ところざわサクラタウン」は、書籍製造・物流工場やミュージアム、イベントスペース、ホテル、ショップ、レストラン、商業施設を展開する文化複合施設。施設内には、KADOKAWA の新オフィスである所沢キャンパスも併設されています。

これまで東京・飯田橋にオフィスを構えていたにもかかわらず、新オフィスとして所沢という場所を選んだ理由について、同社の、グループ戦略総務局 総務企画部 ファシリティ担当部長である荒木 俊一さんにお伺いしました。

荒木さん
「もともと、老朽化した書籍製造・物流工場を移転・新設するために所沢に土地を取得しました。それが2014年のことです。土地の取得が決定してからは、所沢市から譲り受けた土地をより有効活用するために様々な案が出ましたが、結果としてオフィスやミュージアムなどを併設した複合施設を作ることになりました。

施設オープンの目標は2020年。私がオフィス移転プロジェクトを任されたのですが、当時は、オフィスが東京・飯田橋の本社を始めとする都心のビルに集約されていたため、「どうすれば首都圏ではない、所沢という地で働けるようになるのか」という根本的な部分から考える必要がありました。

KADOKAWA 荒木様
sssopen_ja

そんな中、翌年(2015年)から政府の働き方改革推進が始まり、その取り組みに乗る形で「新しい働き方」を目指し、さらに取り組みに力を入れました。」

こうして、KADOKAWA のオフィス改革はスタートしました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の経験により、
有事に備えてオフィスや本社機能を分散させる必要性を痛感した経営者や役員もプロジェクトを積極的に後押ししたことで、会社全体での動きが大きく加速したといいます。

大きな前進のために「場所を変える」

荒木さん
「いざ動き出して再認識した点としては、分散して働くためには、オフィスに縛られない働き方を実現しなければいけない、ということです。
所沢に新オフィスをつくるから、ではなく、あくまで働き方を変えることを目的に、徐々にテレワークを導入するなど、社員とディスカッションしながら、約5年間試行錯誤してきました。

やはり、今までのオフィスにいると、既成概念にとらわれてしまうので、”場所を変える”ということに注力したいなと思っていた頃、ちょうど WeWork が日本に進出すると聞いて、私が個人利用として WeWork アークヒルズサウス に入居してみました。実際にどういったオフィスなのかというのを、まず自分で体験することが重要だと感じたからです。
利用してみると、レイアウトの考え方やデザインなどを含めた全体のシステムが、非常にうまくできているなと感じ、これを当社のプロジェクトでもなんとか活用していきたいと思いました。

それから、2018年にみなとみらいに WeWork の拠点がオープンしたのに合わせて、横浜事務所として入居してみることにしました。入居人数は6名ほどでしたが、充実した共用スペースはあるものの、専用オフィススペースの面積だけ考えると、それまで賃借していたオフィスよりかなり小さくなるということから社内を説得しながらの移転でした(笑)」

KADOKAWA オフィス @WeWork
3分でわかる WeWork

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荒木さんはこれをきっかけに、移転に際して業務の見直しや紙資料の整理、業務のデジタル化といった業務改善を推進していきます。

荒木さん
「オフィスを訪れるお客様も WeWork の雰囲気を気に入ってくださることが多く、入居した社員からも『大変だったけど移転してよかった』と声をもらいました。」

 

働き方改革で大切にした3つの軸

次のステップとして選んだのは、池袋にある WeWork への大規模移転。この移転は、”仮想・所沢” をイメージした決定だったと言います。

荒木さん:
「今後、働き方を変えていく上で、飯田橋(都心)・所沢(近郊外)・ Anywhere(自宅やサテライトオフィス) という3つの軸を置くことに決めました。オフィスはもちろん、自宅など、その時々で働きやすい場所を選んで欲しいという思いです。

KADOKAWA様 参考資料

しかし、先述の通り、いきなり所沢への移転はハードルが高いことは分かっていたため、まず、最初のステップとして池袋に拠点を置くことを決めました。ここでも、荷物を減らすための工夫やDX等の業務改善は必要でしたが、その一方で、オフィス機能やサービスが揃っている WeWork のクリエーティブな空間は、移転したメンバーのモチベーション向上に好影響を与えました。
WeWork の活用は、「場所を変えて、意識を変えて、働き方を変えていく」という私たちのプロジェクトの目的に、非常にマッチしたなと感じました。

また、KADOKAWA としても働き方の過渡期ということで、WeWork の「契約の柔軟性」を効果的に活用しています。例えば、最初に借りたみなとみらいの WeWork は、一旦退去しながら、そこにいた社員は 使いたい時に好きな WeWork 拠点を使うという契約に変更しています。また、大阪でもこれまでの通常のオフィスリースを解約し、大阪の WeWork の利用を開始しました。まさに、動きながら、試行錯誤していくいう感じです。

今後は、企業専用のプライベートオフィスを、多くの従業員でシェアできる『専用アクセス』*という新しいプランで、数百名規模でサテライト利用に活用していく予定です。先ほどの3つの軸でいうと、Anywhere に当たります。」

*企業専用の個室を、大人数で利用するプラン「専用アクセス」。オフィスの床面積を最小限に抑えることができるため、サテライト利用にも最適。(例) 5席の個室を社員20名で共有。利用する際に予約をすることで席を確保できる

コロナ禍におけるテレワーク推進

「コロナ以前は、”Anywhere ”の活用割合を 15%〜20% と考えていたのですが、コロナによる社会情勢の変化により、現在はその割合が50%〜70% になっています。Anywhereといっても、どこでもいいわけではないので、WeWork のような場所があるのは業務を行う上で選択肢が広がります。

企業によってもサテライトオフィスの利用目的は違うと思いますが、働き方改革という観点から捉えるならばそもそもの働き方を各自が当事者として考え、環境を自ら選んでいく、そのために WeWork のような場所を活用するという方法もあると考えています。

そのためには今までやってきた業務手順や方法を、変えざるを得ないこともかならずあると思います。

しかし、そのプロセスは、自社オフィスのレイアウトを変えるだけでは実現し得ない、企業にとって非常に有意義な変革になると思いますもちろんチャレンジングなことですが、それができれば、働き方の変革は大きく前進すると思います。

KADOKAWA 荒木様

どのような企業でも、子育てしながら・介護しながら働く社員から、柔軟な働き方をしたいという声は多く受けると思います。ライフステージやライフプランによって働き方を柔軟に変えたいという社員の声に応えられるよう、今回のコロナのような厳しい環境にあってもそれに負けない柔軟で最適な働き方を実現できるよう、前もっての準備は必要ですよね。

また、WeWork は空間の作り方とコミュニティチームの存在が魅力だなと感じています。コミュニティチームがいて、仕事の合間に何気ない会話をすることができ、在宅勤務の延長とは違った豊かな働き方ができる、そういった働き方を従業員に提供できるのもとても嬉しいです。」

今後の展望

荒木さん:
「出版事業を行う会社ならではだと思いますが、今残っている課題は” 紙 “です。
タブレットでの作業も試験的に導入していますが、最終的には実際に紙に出力された色味や紙質のチェックが必要になっています。そのような紙問題をどこまで自由にしていけるのかというのは考えています。

オフィスに関しては、これからも変革を続けていきます。

先ほどの3つの軸の比率を常に自分たちなりに考えて、状況に合わせて最適なバランスで働けるようにしたいと思っています。コロナ禍の状況下ではどうしてもオンラインでのコミュニケーションの割合が多くなってくる中で、チーム力や創造力を上げていくために、リアルなコミュニケーションの場としてのオフィスはどうあるべきか、大きな課題だと考えています。

このプロジェクト発足のきっかけになったところざわサクラタウンのオフィスは、ワンフロア約2,700坪で天井も一般的なオフィスの2倍ほどの高さがあり、密になりにくい構造になっています。社内でのリアルなコミュニケーションを行うときには最適な環境ですし、隣接するミュージアムや図書館、イベント施設などで刺激を受けることもできます。集中力が必要な作業やクライアントとのミーティングは飯田橋、自宅やサテライトオフィスを利用する、というようにそれぞれの特徴を活用していければ良いかなと思っています。」

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・ところざわサクラタウンについて:https://tokorozawa-sakuratown.jp/
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