「大学を改革する!」真っ先に感じた外部とのネットワーク構築の重要性
大学の広告塔となり、入居5ヵ月で3回のイベントを開催!150人以上と語らう
大学にもWeWorkカルチャーを。今までの体質を根本から変える試み
今回お話を伺ったのは、国立大学法人 横浜国立大学 先端科学高等研究院の研究戦略企画マネージャー、小清水 実さんです。
大学の体質を変えるため、外部との活発なコミュニケーションが必要と感じたことをきっかけに、WeWork オーシャンゲートみなとみらいに入居。入居後は、積極的なイベント開催やネットワーキング構築をされています。WeWork (ウィーワーク) 入居に至った背景や、入居後に起こした具体的なアクションなどについて、伺いました。
「大学を改革する!」真っ先に感じた外部とのネットワーク構築の重要性
——— 小清水さんが所属している「先端科学高等研究院」と業務内容について教えてください。
小清水さん:6年前、文部科学省が日本の大学を改革、強化していこうと、それぞれの大学に“大学を改革、強化するための組織”の形成を推進し始めたんです。私たち横浜国立大学としても当時、大学を変えていかなければいけないという意識があったので、そのタイミングで新たに「先端科学高等研究院(以下IAS)」を創設しました。
IASは、横浜国立大学で先端を走る3つの分野の教員、つまり研究者の集まりで成り立っています。「サイバー・ハードウェアセキュリティ研究群」「インフラストラクチャリスク研究群」「社会価値イノベーション研究群」の分野で総勢90人に達する研究者が、それぞれ世界をリードするため、そして、各分野で横浜国立大学を世界に誇れるグローバル研究拠点にすることを目指して活動しています。
私は、IASで研究戦略企画マネージャーをしています。私の役割は、IASにおける研究を一層推進するとともに、研究活動や成果の社会への発信、産学官公等との連携のための戦略を策定し実行することです。
——— WeWork に入居しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
小清水さん:現職に就く前から、みなとみらい地区でイノベーションを指向した活動をしているいくつかの団体に関わっていました。横浜国立大学の一員になった後もその会合に参加していたところ、たまたま WeWork 社員の方と出会いました。そこで、みなとみらいに WeWork というイノベーティブな人が集まる活発なコミュニティがあると知り、「これだ!」と思いましたね。
大学、特に本学では、企業と連携して共同研究を行い、成果を出すことと研究資金の獲得をとても大切にしています。大学の教員が学会で発表したり、論文を出したりするのは当然のこと。これからは、本当に世の中の課題を解決する、役に立つことができるかが重要になってくる。そういった動きを推進していくにあたり、外部とのオープンなコミュニケーションと連携という点において課題を抱えていました。
WeWork みなとみらいに見学に行って特に気に入ったのが、広い会議室と、快適なコミュニティスペース。大学の講習会や、パブリックなセミナーが開けると思いましたね。メンバー同士のイベント交流やビールの提供など、話がはずむ仕掛けもあり、今までできていなかった外部の方とのネットワークが構築できるのが魅力でした。ほかのシェアオフィスも見学に行きましたが、機能がまったく違ったので、WeWork 一択でした。
大学の広告塔となり、入居5ヵ月で3回のイベントを開催!150人以上と語らう
——— WeWork に入居して、小清水さんが大学側から期待されていることは何でしょうか?
小清水さん:平たくいうと、「目立つことをする」! 広告塔のようなものです(笑)。「横浜国立大学にはどんな特徴があって、何がウリになるのか」というポイントをはっきりさせて、どんどん目立つ活動をすることが求められています。
———入居後、具体的に何かアクションを起こしましたか?
小清水さん:私たちはプライベートオフィスも契約していますが、まずは積極的にコミュニティスペースで過ごすようにしました。せっかく WeWork に入居しているのに、自分たちのオフィスに閉じこもっていては意味がないですからね(笑)。
入居して何をやるかは特に決めていなかったのですが、1ヵ月が経った頃、コミュニティスペースでオープンなセミナーを開くチャンスがあったんです。せっかくなので、私たちが強みとする分野「リスク共生学」を専門とする教員に講演をしてもらいました。その名も、「横国イブニングセミナー」です。
新鮮だったのは、とにかく活発な意見交換会になったこと。通常のセミナーでは、参加者は聴講するだけであまり発言してくれません。でも WeWork のメンバーさんは、各自疑問に感じたことを投げかけてくれて、いろいろな意見を発信してくれました。初回にも関わらず50人以上が参加し、非常に手応えを感じたのを覚えています。
2ヵ月後には2回目を、さらに2ヵ月後には3回目を開催しました。回を追うごとに参加者も増え、毎回盛り上がりを見せてゆきました。2回目には学長も参加したのですが、オーディエンスの反応の良さにとても感銘を受けた様子で、「ここに入居したことは大正解でしたね」との発言もありました。3回目のセミナーでは、学長も講演者の一人として活発な意見交換に参加しました。
大学にもWeWorkカルチャーを。今までの体質を根本から変える試み
——— 入居後、何か変化はありましたか?
小清水さん:WeWork のメンバーさんとたくさんの良い関係を構築できたことが一番の収穫です。中には、「横浜国立大学がこんなに面白い取り組みをしているなんて知らなかった」といってくださる人もいます。それに、先程のようなイベント後にはかならずネットワーキングの時間を設けて積極的に話しかけてゆきます。私を含め、教員がそうして企業の方とコミュニケーションをとることで、タッチポイントが生まれる。その出会いをきっかけに、個別に案件を持ちかけ合ったり、その後の共同開発の話に繋がっていくんです。実際、コラボレーションが実現しそうなケースが2-3件あると聞いています。
また、WeWork はアカデミーとフォーラムのような機能も兼ね備えていると感じます。違う分野の会社・スペシャリストが、日々互いの知的好奇心を煽りながら共創しているイメージです。入居後は、絶対的に自分の知識の幅が広がったと思えるし、異なる分野の人たちとの交流には、インプットだけではなくアウトプットが重要であると強く感じました。
———今後、実現したいことはありますか?
小清水さん:WeWork は、大学のカルチャーを変えるのにとてもいい。今後はそれを、自分たちの土壌にもうまく持ち込んで、何かを生み出すことが目標です。例えば、学生と企業のコラボレーションプロジェクトも生み出していきたいですし、グローバルに活動する教員が世界中の拠点でセミナーを開くのもありだと思っています。
横浜国立大学は、建学からの精神として、「実践性」「先進性」「開放性」「国際性」の4つを掲げています。その精神に沿って大学をもっと広く開いて、いろいろな企業の事業課題にも役立ち、社会課題の解決にも役立つ、そういった研究成果を出していくのが私たちの目標です。引き続き外に意識を向けて、大学の魅力・知識や情報を積極的に発信していきたいです。