更新日:2024.02.07
「ランドマークビルなどを舞台に『 WeWork らしさ』を表現。ビジネス全体を考えてデザインできるのはインハウスデザイナーの醍醐味」 - 秋葉 徹哉 WeWork Japan, Design Team, Director
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WeWork Japan の日本全国40拠点のインテリアデザインを統括
入社の決め手は、プロジェクトの企画段階からデザインに携われること
ビジネス全体を考えてデザインできるのがインハウスデザイナーの醍醐味
デザイン以外の幅広い経験を持つ人材も求めている
WeWork Japan は現在、北は宮城県仙台市から南は福岡県福岡市まで国内に40の拠点があり(2024年1月時点)、どの拠点を訪れても「 WeWork らしさ」を感じることができます。その空間を創りだしているのが、デザインチームです。
デザインチームは、ラウンジのインテリアデザインや家具のセレクトのみならず、拠点全体のコンセプトからオフィスの販売戦略にも携わる非常に重要な仕事で、WeWork 内で目につくハードウエアのほぼ全てに責任を持って関与しています。日本での WeWork 立ち上げ時から同チームに加わり、現在はデザインディレクターを務める秋葉徹哉さんに、WeWork のインハウスデザイナーの業務内容や、やりがいなどについてお聞きしました。
WeWork Japan の日本全国40拠点のインテリアデザインを統括
── お仕事の内容を教えてください。
私は拠点開発及び運営を統括する部署内のデザインチームでディレクターを務めています。デザインチームが携わる主なプロジェクトは、「新規拠点の開設」、「既存拠点の改善」、「メンバー(入居企業)向けのカスタムデザインサービス」の3つです。
「新規拠点の開設」では、物件やエリアのリサーチ段階からプロジェクトに参画し、不動産チームと連携しながら、デザインコンセプトやオフィスの販売戦略を検討します。その後、具体的な設計・デザインを詰め、社内の承認を経て設計管理フェーズに移行します。外部パートナーの設計事務所や施工会社と密にやり取りし、デザイン責任者として拠点完成までプロジェクトをリードするのが役割です。
「既存拠点の改善」においては、稼働している拠点の課題を洗い出し、デザインの観点のみならず、社内外の意見やビジネスの状況も考慮した改修計画を取りまとめます。最近では、 WeWork 渋谷スクランブルスクエア(東京)のラウンジエリアをアップデートしました。コロナ禍は利用者が一時的に減少しましたが、現在は回復しており、コロナ前以上にメインラウンジが混雑していました。そこで利用者が目的ごとにラウンジを使い分けられるよう、一般フロアのラウンジを「Meeting」「Collaboration」「Focus」と明確なコンセプトを設定し、レイアウトや家具を抜本的に変えました。その結果、今までメインフロアに集中していた利用者が分散され、拠点全体の混雑の緩和に貢献することが出来ました。また、 WeWork LINKS UMEDA(大阪)では、メンバーの声をコミュニティチーム経由で収集し、執務用のテーブルスペースを増やすなど、細かな改善も行っています。
そして「メンバー向けのカスタムデザインサービス」は、入居企業が占有オフィス内の家具やインテリアをカスタマイズできるサービスです。例えば、 WeWork オーシャンゲートみなとみらい(神奈川)に入居されているクックパッド株式会社様や、WeWork 渋谷スクランブルスクエアのBooking.com様のケースが該当します。入居企業の「らしさ」やご要望を取り入れつつも、拠点の特性を熟知した私たちにしか出来ない、デザインとコストの両面において WeWork の空間を最大限に活かした提案をするよう心がけています。
── WeWork のようなフレキシブルオフィス(シェアオフィス)を提供する企業が、インハウスデザインチームを持つことは、珍しいと思います。新拠点の設計時には、図面を引くのでしょうか?
実施設計業務は外部のパートナーに一任します。通常設計業務は図面を作成することに膨大な時間と労力を要しますが、そこを外部に担ってもらうことで私たちはその手前にあるコンセプトから基本設計、インテリアデザインまでのフェーズに多くの時間を費やすことができます。物件の特性を活かした個性的なデザインを提供するのはもちろんのこと、セールスやコミュニティチームといった他部署の意見も汲み取りながら、事業者側の立場から利用者のニーズを捉え、機能的かつビジネス面でも効率的なオフィスを創り上げます。そして、運用後もフィードバックを高速で収集しながら、さらに付加価値を向上するべくブラッシュアップし続けます。
── 拠点ごとにエリアの特徴がデザインに反映されているのも WeWork の魅力ですが、各拠点のデザインはどのように決めているのでしょうか?
私たちは、メンバーが世界中のどの拠点を訪れても「 WeWork らしさ」を感じてもらうことが重要と考え、WeWorkの「グローバルデザインスタンダード」を踏襲しますが、それと同時に拠点ごとにローカルの要素を取り入れて特色を演出しています。象徴的なのは、 WeWork 神谷町トラストタワー(東京)やWeWork 大名(福岡)でしょうか。数ある拠点の中でも特にローカルのエッセンスがバランス良く落とし込まれた例だと思います。
入社の決め手は、プロジェクトの企画段階からデザインに携われること
── 入社のきっかけと、現在のポジションに就くまでの経緯を教えてください。
前職は外資系のインテリアデザイン事務所で勤務していました。デザインに関するグローバルな見識を深める目的で退職し、1年間の期限を設けてカナダに渡りました。当初、帰国後は前職の事務所に戻る考えでしたが WeWork が日本で採用を進めており、しかもデザインチームの立ち上げメンバーを募集しているという情報を得て応募しました。 WeWork のビジネスが魅力的だったことに加え、インハウスデザイナーとしてプロジェクトの企画段階から携われることは自身の成長に繋がると感じたからです。
入社当初は拠点を急速に増やしているタイミングで、デザインチームの業務の大部分を、新規拠点の設計・デザインが占めていました。最初に関わったのは日本で最初の拠点となった WeWork アークヒルズサウス(東京/2018年2月開設)でしたが、上海のチームがデザインを担当していたため、国内の建築チームとの折衝や設計監理業務が中心でした。デザインから携わったのは、 WeWork 日比谷パークフロント(東京/2018年7月開設)と WeWork リンクスクエア新宿(東京/2019年12月開設)が最初です。
現在は新規拠点の開設が落ち着いており、既存拠点の改善やメンバー向けのカスタムデザインの比重が高くなっています。私は入社から1年半後にデザインチームのマネジャーとなり、新規拠点の設計・デザインを主にしていましたが、現在はデザインディレクションとクオリティーコントロールが重要な業務です。
── デザインという感性がものをいう職種では、クオリティーに関するマネジメントの苦労も大きいのでは?
はい。マネジャーとしては、クオリティーとコストのバランスを意識しています。また、デザインチームには「 WeWork らしさ」を産み出すために欠かすことが出来ないデザインの共通言語がいくつか存在します。デザイナー一人一人がそれを常に意識することで、クオリティーとブランディングが維持できている点も多いと思います。
私たちは「1拠点で最低1つは新しいことに挑戦しよう」というモットーで活動しています。先ほど、グローバルのデザインスタンダードがあるという話をしましたが、WeWork Japan デザインチームの試みがグローバルスタンダードに採用されたケースも多々あり、やりがいを感じる部分でもあります。
ビジネス全体を考えてデザインできるのがインハウスデザイナーの醍醐味
── WeWork のインハウスデザイナーならではのやりがいを教えてください。
WeWork は地域のランドマーク的なビルに拠点を開設し、複数のフロアを借りることが多いため、手がける案件も比較的大規模なものが多く、拠点ごとにコンセプトがまったく違いデザインの密度も毎回濃いです。非常に大きなやりがいを感じますし、他では同様の経験はできないと思います。
また、物件の選定時にデザインの視点からテクニカルなアドバイスをしたり、テナントビル自体の開発段階からデザイン提案が出来るのもインハウスであるからこそ。外部デザイナーの場合は、クライアントの総務やファシリティ担当とやりとりをすることが大半ですが、私たちインハウスデザインチームの場合は、本当に初期の段階からさまざまな部署と協議を重ね、ビジネスの一つの機能として動くことが出来ます。ビジネス全体を考えてデザインできることは、デザイナーとして大きな経験になります。
デザイン以外の幅広い経験を持つ人材も求めている
── 今後のプランがあれば教えてください。
引き続き、新拠点の開設時には挑戦していきたいと考えています。また、従来はビルのテナントエリアに WeWork が入り、そこでビジネスを展開していましたが、ビルオーナーから、ビルの共有エリアでも何か一緒に出来ないかといった話もあり、新たなチャレンジが実現出来ることを楽しみにしています。他にも様々なチャネルでWeWorkの付加価値を向上させる可能性に取り組んでいます。
── 最後に、採用ページをご覧になられている方にコメントをお願いいたします。
デザインチームには、海外経験が豊富なインテリアデザイナー、プロジェクトアーキテクトが多数在籍しています。メンバー各々が特化したスキルを備えており、一緒に働くことで得られることも多いです。一方で WeWork Japan は、デザインのバックグラウンドを持つ人材だけを求めているわけではありません。 WeWork は、世の中に新しい働き方や働く空間を生み出し提案していく仕事でもあり、デザイン以外の幅広い経験も必要としています。クロスファンクションで協働する機会も多いのでビジネスのことを一緒に学びながら、 WeWork のミッションを達成していける仲間を求めています。